2020 Fiscal Year Annual Research Report
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20H02386
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 裕之 群馬大学, 数理データ科学教育研究センター, 准教授 (20397053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 孝 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10345118)
香川 景一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30335484)
中野 和也 宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 助教 (80713833)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生体認証 / イメージングシステム / 画像処理 / 生体計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究(2021年9月末まで)は、透過型の非接触静脈撮像システムの課題を整理し、様々な撮影環境に対しても安定して指静脈パターンが取得できるよう、撮像光学系の改良を行った。 これまで我々が提案している透過型非接触静脈認証システムでは、背景光源が写りこんでいる場合に照合精度が低下する現象が見られた。この影響を取り除くためは、背景光源が写りこんでいる静脈画像から血管の存在している指領域のみを抽出し、指領域のみで照合を行う手法が有効であると考えられる。しかし手振りした指を動画像で撮影する本提案システムでは、手を動かすことで照明と指との相対位置が変化するため、フレームごとの輝度情報が大きく変動してしまい、輝度情報を利用した画像処理では十分な精度での指領域抽出を行うことが難しかった。一方、人間の肌色は自然界にはほとんど存在しない色であるため、撮影画像から肌色を検出できれば、容易に指領域を抽出できると考えられる。そこで本研究では、肌色を検出するための白色光源およびRGBカメラを設置し、肌色を含むカラー画像と静脈パターンを同時に撮影する撮像システムを開発した。 実験システムでは、白色光源は近赤外LEDを照射する方向とは反対方向から照射し、近赤外光は透過、白色光は反射となるよう光学系を構築した。また、市販のRGBカメラは近赤外カットフィルターが挿入されており、近赤外光に感度を持たないことが一般的であるが、本実験で用いるRGBカメラは近赤外カットフィルターを取り外し、近赤外領域にも十分な感度をもつように改造した。この撮像システムで撮影した画像から肌色領域を抽出し、この抽出領域のRバンド画像を用いることで指領域のみの静脈パターンを抽出することができた。この領域抽出によって、背景光の影響による照合精度の劣化が改善した。 上記の研究成果については、BISC2021にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の計画では、静脈撮像システムの課題の整理、その課題を解決するための撮像システムの改善、改善した撮像システムに対応した照合手法の提案を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルスの影響により、予定していた実験や会議などを行うことが困難になり、研究スケジュールが大幅に遅れたため、研究期間を2021年9月末までに延長した。その結果、撮影動画に映り込む背景光の影響を取り除く撮像システムを開発し、その効果を検証することができた。これ以外にも、暗室外での撮影環境における照合精度低下の影響調査、異なる深さの血管パターンを撮影する撮像システムの基礎検討、指の骨格の検出を組み合わせた高精度な静脈認証手法の検討を行っており、2020年度に想定した研究内容をおおむね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方策としては、これまでに開発した撮像システム及び照合手法を改良し、暗室外でも安定して照合を行える静脈認証システムを開発する。また、異なる深さの静脈画像を撮影し、この深さの違いが照合精度に与える影響を調査する。照合手法の改善としては、様々な手の状態の指静脈画像を教師画像として利用する深層学習手法、複数フレームを効果的に活用する照合手法、骨格情報を組み合わせた照合手法を検討する。 研究の最終年度には、これまでに開発した撮像光学系や照合手法を用いて指静脈画像を実時間で照合する実験システムを構築する。このシステムでは、GPU(Graphics Processing Unit)やマルチコアCPUの並列処理を利用し、処理の高速化を図る。開発した実験システムを利用し、処理速度や照合精度を測定する。これらの結果から、提案する指静脈認証装置の実質的な性能を評価し、実用化へ向けての課題を明らかにする。
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Research Products
(1 results)