2021 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム編集ニワトリによる高機能インフルエンザワクチンの生産
Project/Area Number |
20H02537
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西島 謙一 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (10262891)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 悦郎 九州大学, 医学研究院, 教授 (00160903)
金岡 英徳 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (30631973)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ニワトリ / 発育鶏卵 / ワクチン / 遺伝子改変ニワトリ |
Outline of Annual Research Achievements |
発育鶏卵でウイルス株の増殖を左右するのは漿尿膜上に存在する糖鎖の結合パターンであり、理論上糖鎖をヒト型化できれば、ヒトウイルスを馴化プロセスなしで増やせるようになる。そこで、これまで開発を進めてきたニワトリの遺伝子改変技術を用いてヒト型糖鎖発現ニワトリを作製する。安全性を確保するために、本申請では複数のニワトリ系統を樹立し、これを交配して目的の発育鶏卵を得る計画である。 1. Creリコンビナーゼを発現するニワトリと、プロモーターと糖転移酵素の間をスタッファーで区切った2種のニワトリ系統を作製中である。遺伝子導入PGCを移植した胚を孵化させて得た生殖腺キメラニワトリを交配して、生まれたヒヨコをスクリーニングした。その結果、複数のCreリコンビナーゼ発現ニワトリ個体を得た。インバースPCRによって遺伝子挿入部位を調べたところ、異なった染色体部位に挿入されていることが示された。糖転移酵素ニワトリ系統についてはこれまでのスクリーニングで遺伝子導入子孫は得られておらず、引き続き作製を進める。 2. PGCがニワトリ胚でどのようにして分化するかについては不明な点が多い。培養PGCで哺乳類PGCに必要な遺伝子のひとつをノックアウトしたところ、PGCの増殖が抑制されルことが認められた。 3. 減数分裂関連遺伝子の1つを選択し、PGCでのノックアウトを行った。CRISPRで片アレルのみノックアウトできる条件を検討した結果、片アレルのみをノックアウトしたPGC細胞クローンを複数得ることに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変ニワトリの作製が順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き遺伝子改変ニワトリの作製を進める。昨年度作製に成功したCreリコンビナーゼ発現トランスジェニックニワトリについては、リコンビナーゼの発現パターンの解析等を進める。また、PGCの増殖制御機構についての分子解析を進める。
|