2022 Fiscal Year Annual Research Report
高温・水素雰囲気照射法の開発によるフェライト鋼の中性子照射劣化への水素効果の解明
Project/Area Number |
20H02661
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
外山 健 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50510129)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 英二 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (70231834)
波多野 雄治 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (80218487)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 中性子照射 / 照射欠陥 / 陽電子消滅 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄-クロム系フェライト鋼は、現行軽水炉のみならず次世代炉や核融合炉でも期待される材料である。これら炉での実使用環境では、材料には照射欠陥に加えて水素も導入されるため、照射組織の形成やそれによる照射劣化に対する水素の影響が指摘されている。本研究では、高温・水素雰囲気での中性子照射方法を開発することにより、中性子照射と水素導入・蓄積との重畳効果を調べ、照射劣化に対する水素効果を明らかにすることを目的とした。 まず、水素ガス雰囲気で中性子照射を行うための照射キャプセルを新たに開発した。使用した原子炉は、ベルギー原子力研究所SCK CENの研究炉BR2である。照射キャプセルの開発は特にBR2と緊密に連携して進め、SCK CENの安全審査委員会からの承認を得た。中性子照射を行い、水素雰囲気下での照射を完了した。さらに、中性子照射実験と並行して、電子線照射実験および熱時効も行った。これらの試料について、ミクロ組織観察を行った。これらには、金研大洗センターに整備されている透過電子顕微鏡、陽電子消滅装置、3次元アトムプロープ観察装置を使用した。以上により、空孔クラスターの形成・成長、溶質原子の拡散、炭化物組織の回復などについて観察し、照射組織の形成・発達に対する水素効果を調べた。その結果、空孔クラスターの形成および成長は、水素雰囲気下ではやや抑制される可能性があることを見出した。一方、溶質原子拡散および炭化物組織の回復に対する水素効果は顕著ではないことも分かった。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|