2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of Innovative Theoretical Approaches for the Design of Amorphous Organic Semiconductors
Project/Area Number |
20H02716
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小関 史朗 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80252328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻田 俊雄 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10285314)
池田 浩 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30211717)
八木 繁幸 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40275277)
内藤 裕義 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90172254)
松井 康哲 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90709586)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アモルファス有機半導体 / キャリア移動度 / 正孔輸送材 / 量子化学計算 / 理論シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,理論計算グループ(小関・麻田)が【課題1】アモルファス中の移動度を計算する新規アルゴリズムの確立を目的として,既報の方法を用いて市販されている種々のアモルファス有機半導体のキャリア移動度を計算し,正孔輸送材料分子の絞り込みを行った.まず,過去に用いられた正孔輸送材料分子およびそれらに類する分子340ほどの物性データおよび量子化学計算により得られる指標となるデータを収集した.不足分は,量子化学計算を実行し補填した.今のところ最も適切であると考えられるランダムフォレスト法を用いた機械学習のプログラムシステムをくみ上げ,これらのデータを用いた解析を実行し,ホール移動度と相関の高い物理量および量子化学計算における指標の選定を行った.その結果,分子の極性表面積および水素結合アクセプター数が重要であり,前者が5(オングストロームの2乗)以下であり,後者が3~6となる分子が高いホール移動度を示すことが明らかになった.その信頼度は,ホール移動度の実験値と理論値の間の相関係数が0.8~0.9であることから推測できる. これら2つの因子に関する条件を満たす分子は,窒素原子を0または1個含み,かつ硫黄原子を3~6個含む必要がある.本研究グループにおいて提案されていた分子骨格をもとに,これらの条件を満たす分子を50ほど設計し,分子シミュレーションによりアモルファス構造をつくり,量子化学計算によりホール移動度を計算した.その結果,10-2 [cm2/Vs] 以上の高いホール移動度を示す分子が22個得られた.特に,高い移動度を示す6つの分子を選定し,【課題2】新規アモルファス有機半導体のフローシステムによる合成を試みる有機合成グループ(池田・松井・八木)に合成を依頼した.なお,2020年度に実行したすべての数値計算に用いた新規計算機クラスターは,部品購入により組み立てた高速計算機からなる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の項で述べたように,収集したデータを用いて,機械学習および分子シミュレーションを行い,高いホール移動度を得るための重要因子を明確にできたので,本年度の目標は達成できた.さらに,この結果をもとに適切な材料分子の設計を行い,実際に合成しホール移動度の計測を行うべき分子を提案することに成功した. 今までのところ,あえて予期していなかったことをあげれば,COVID-19のために学会発表が思うようにできず,学生の研究活動に影響を及ぼしたことであろう.また,当初重要であろうと予想されたHOMOやLUMOのオービタルエネルギーなど量子化学計算によって得られる値が,高いホール移動度を得るためにはそれほど重要因子ではないという点もあげられる.この点については,今後,有機合成グループおよびデバイス評価グループからのフィードバックに基づいて,再度,分子シミュレーションおよび量子化学計算を実行するなかで,改めてより詳細に解析する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に機械学習と理論シミュレーションによって絞り込んだ材料分子について,有機合成のグループがそれらの合成の可否,合成の効率および合成過程の容易さを検討し,実用的であるか検証する.また絞り込んだ材料分子をもとに,実用的であると考えられる類似分子を合成し,物性を計測することにより,正孔輸送材料分子として適切であるかどうか検討する.その結果を【課題3】インピーダンス分光法によるデバイス作製・評価グループ(内藤)に報告することにより,実際のデバイス作製について検討する.また,有機合成グループの結果を理論計算グループにフィードバックする.それらの報告をもとに,改めて機械学習・分子シミュレーションを行うことで,材料分子を設計するうえで適切な物性の支配因子をさらに詳細に解析し,より信頼性が高く高効率な材料分子の設計を行うプロセスを検討する.
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[Journal Article] Synthesis of Novel π-Extended D-A-D-Type Dipyrido[3,2-a:2',3'-c]phenazine Derivatives and Their Photosensitized Singlet Oxygen Generation2021
Author(s)
Hayashi, Y.; Morimoto, A.; Maeda, T.; Enoki, T.; Ooyama, Y.; Matsui, Y.; Ikeda, H.; Yagi, S.
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Journal Title
New J. Chem.
Volume: 45
Pages: 2264-2275
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] テトラチエノナフタレン類の有機電界効果トランジスタにおけるアルキル鎖長効果2021
Author(s)
久米田元紀, 谷口公哉, 山本惇司, 末永 悠, 麻田俊雄, 松井康哲, 服部励太郎, 東中屋美帆, 大垣拓也, 太田英輔, 内藤裕義, 池田 浩
Organizer
日本化学会 第101春季年会
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[Presentation] Design, Synthesis, and Device Characterization of Tetrathienonaphthalene-type Semiconductor2020
Author(s)
M. Kumeda, K. Taniguchi, Y. Suenaga, A. Yamamoto, K Takagi, T. Yamaguchi, Y. Matsui, E. Ohta, T. Ogaki, T. Asada, S. Koseki, H. Naito, H. Ikeda
Organizer
The 14th International Symposium on Organic Reactions (ISOR-14)
Int'l Joint Research
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