2022 Fiscal Year Annual Research Report
炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの表面化学酸化による接着特性の向上
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20H02779
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大久保 敬 大阪大学, 先導的学際研究機構, 教授 (00379140)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プラスチック / 表面酸化 / 接着 / 光反応 / 二酸化塩素 / ラジカル / 易解体 / C-H酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、二酸化塩素によってポリプロピレンなどのプラスチック表面をC-H酸化することによって極性官能基を導入する技術を用いて、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Thermoplastic:CFRTP)や炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic:CFRP)の表面酸化の技術開発を達成している。今年度はその酸化された樹脂のもつ新しい機能開発を行った。 二酸化塩素ガスを発生させたチャンバーの中に樹脂(PP)を静置しLEDで光照射を行い表面酸化処理されたサンプルを調製した。この材料とアルミニウム板との異種材料間接着について検討を行った。PPの融点(180度)付近で熱圧着した結果、破断応力120MPaを達成し、市販エポキシ樹脂接着剤と同等以上の接着特性を得ることができた。引張試験による検討の結果、材料破断となりPP表面に酸化処理を施すことによって非常に強力な接着を達成することができた。 このようにして接着したプラスチックとアルミの複合体は、融点以上の熱を加えることで容易に解体できることがわかった。通常金属と樹脂の接着に用いる、接着剤を使用しないので解体後の材料は不純物の混入が無い。よって高分子材料のリサイクル性を考えると、この上ない技術となることが期待できると考えられる。 PEや液晶ポリマー(LCP: ポリヒドロキシ安息香酸など)においても同様の接着、易解体の特性を得ることができた。一方でフッ素樹脂については本酸化手法では難しいことがわかった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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