2021 Fiscal Year Annual Research Report
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20H02975
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
黒倉 健 宇都宮大学, 農学部, 講師 (10650898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
龍 勝利 福岡県農林業総合試験場, 筑後分場, 研究員 (00502478)
磯部 祥子 公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 室長 (20343973)
濱野 恵 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 上級研究員 (20701105)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GWAS / 形質調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究計画に従い,昨年度に引き続き栽培試験を国内3か所(福岡・宇都宮・盛岡)で各試験場の慣行で行い,開花日・花房間葉数・葉面積・果実重・果実個数・痩果数・果実表面積を測定した.この際,昨年度は個体の入手が不可能であった3品種の植物体を新たに入手し,合計53品種・系統を測定対象とした.この結果,2000年代以降に開発された大果系品種の果実重量については元となった親系統と断絶しており,果実品質の追求のみならず収穫の省力化を目的とした結果,育種の過程で意図的に果実重量の大きい系統が選抜された可能性が高いことが明らかとなった.また,測定項目のうち,花房間葉数は果実重量との相関がみられないのに対し平均果実重は頂果房の果実によって引き上げられていること,花房の次数によって果実サイズが減少していることが全体的な傾向として明らかになったほか,逆に総果実重量に対する頂果房の貢献度は高くないことが明らかとなった.すなわち花房間に出現した葉は果実生産を一定に保つことへの貢献度は従来考えられていたよりも小さいことが示唆された. 昨年度家系情報に基づいて選んだ主要8品種については,PacBio Sequel IIにより良好なcontigが得られたが,重量測定の結果全て果実重量が小さい品種であることが確認されたため,昨年度の測定結果に基づき本年度は新たに果実重量が中程度から大の品種8品種を選び,同様にロングリードの取得を試みた.これらにより果実重量に関わるゲノム領域の特定のみならず,同祖染色体間での組換え様式の解明につながる基盤の整備が行われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に従い,形質調査とDNA多型情報の取得が行われたことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に従い,表現型データ間の相関解析と,GWAS, multi-trait GWASを行うことによって各表現型を支配するゲノム領域の絞り込みを行うほか,各データを公開に向けてデータベースへの格納を行う.
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