2021 Fiscal Year Annual Research Report
Next-generation approaches for the conservation of natural landscapes
Project/Area Number |
20H03013
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
齋藤 馨 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (70215531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 直人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90303255)
藤稿 亜矢子 東洋大学, 国際観光学部, 教授 (20732754)
中山 雅哉 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (90217943)
後藤 晋 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (60323474)
藤原 章雄 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60292794)
鈴木 智之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (20633001)
中村 和彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70707075)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自然風景地 / 保護 / 利用 / サイバーフォレスト / オンライン / 次世代 / 芸術 |
Outline of Annual Research Achievements |
サイバーフォレスト(以下CF)の自然風景地音声映像モニタリングシステムを2021年4月より翌年3月の通年にわたり運用し、ライブ映像音を提供しつつそのアーカイブ公開を継続した。この自然地のデジタルアーカイブ情報とライブ映像音の提供、つまりインターネット上のデジタルな自然情報に、自然地から離れている都市住民が触れることが、自然への意識をどう変化させ、現地に行かずとも自然風景地を保護し利用していると感じられるのか、といった意識変容に関する考察に向けて以下の研究を実施した。 1.研究協力者随筆家青木奈緒氏は昨年度に続き「森へ」と題した随筆3編を執筆した。文学作品の読者は現地に行かずとも遠隔の自然地に触れることができる。3編を研究分担者と共有し、青木氏との意見交換から自然地の芸術表現に関する定性的な知見を得た。 2. 2021年5月にオンラインワークショップを開催した。遠隔地の音のみを聴いてその場所の環境を想像し文章で表現させ参加者間で共有した後に現地画像を提示し、想像との共通点相違点の自由記述後に参加者間での議論を行った。これら文字データから定性的な知見を得た。 3.2021年11月研究協力者サウンドエンジニア岡田晴夫氏が、東京大学北海道演習林前山保存林モニタリング地点および湧水池での自然音体験と録音を実施し、オンライン配信音との比較用データを収集した。 4.2022年3月学生・院生・若手社会人を対象にオンラインワークショップを開催した。CF概要を説明し、CFのアーカイブ映像を用いたクイズと開花観察等を体験後、グループディスカッションを通してCFの活用アイディア検討を行った。5.同月オンラインシンポジウムを開催し、芸術表現による自然風景地の捉え方とその特徴や意義、効果などについて、芸術家と研究者の双方から話題提供および両者交えての議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で現地開催のワークショップを最小限として、主にオンラインで進める研究手法に切り替えたことで、概ね順調に進んでいる。 これらは、次世代自然風景地の認識に、当初は現地の直接出向いて体験することの補完としてのオンライン・デジタル情報の役割を検討する予定が、コロナ禍で仕事や教育、さらには余暇について一気にオンライン化が進んだことにより、リアルとオンライン・デジタル・バーチャルとの境界が曖昧となりつつある中で、相互の関係性をより集中的に検討するべき事案となっている状況に対応していることから、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は本研究の最終年度となる。これまでの研究で得た知見と、未解析な現地データ及び未分析なテキストデータについての解析・分析を進める。 対面によるワークショップとシンポジウムの開催が可能となれば、オンラインとの併用で開催実施して、都市住民が自然風景地の現地に行かずともオンラインデジタル情報に触れることで自然風景地を保護し利用していると感じられるのかに関する意識変容を明らかにしていく。 これらの成果は研究論文として発表するほか、2022年10月にフランス/マルセイユで開催予定のAcoustic Commons (The Acoustic Commons is a Small Cooperation Project supported in part by the Creative Europe Programme of the European Union.でサイバーフォレストも連携している。)の成果イベントに参加を予定しており、本研究成果の国際的な展開を推進する。
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Research Products
(11 results)