2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of hotspot formation mechanism of marine top predators in the waters around Shiretoko
Project/Area Number |
20H03054
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三谷 曜子 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (40538279)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 織生 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (20371784)
綿貫 豊 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (40192819)
山口 篤 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (50344495)
中村 知裕 北海道大学, 低温科学研究所, 講師 (60400008)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 生物多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年6月に予定していた調査がCOVIDで中止になったため,2021年5月に観光船をチャーターし,調査を実施した.また,2019年度に実施したおしょろ丸調査のデータ解析を進めた.目視調査で最も多く記録された海鳥はハシボソミズナギドリであった(6月29日知床岬沖で65,000羽).鯨類では,イシイルカ,シャチ,マッコウクジラ,ミンククジラが知床半島の東西で見られたが,ナガスクジラは西側のみで見られた.音響調査により,プランクトンの反応を示す120 kHzの周波数では,能取岬沖と知床半島周辺の東西で大きな反応が見られた一方,魚類の反応を示す38 kHzの周波数では知床半島東側に大きな反応が見られた.CTD-LADCPとXBT観測からオホーツク海沿岸は宗谷暖流水が分布し,根室海峡北部にも海面から水深150dbar付近まで,既に入り込んでいることが明らかになった.また,植物プランクトンの優占分類群では,宗谷暖流が卓越する沿岸域および中冷水では珪藻類,沖合域ではナノ鞭毛藻類と,海域により異なっていた.このような海域差は,水塊間の栄養塩および鉄濃度の違いに起因すると考えられた.動物プランクトンバイオマスには,中型動物プランクトンのカイアシ類Metridia okhotensisが優占し,この種の排泄する糞粒が鉛直的な物質輸送に大きく貢献することが示された.11地点で実施したMOHTネットによる採集では,斜里沖陸棚斜面上部の2地点(B2およびB3)でソコイワシ科に属する魚類マイクロネクトンのまとまった採集がみられた.しかし,両地点は必ずしも鯨類や海鳥類との高密度域とは一致しておらず,これら高次捕食者の分布との関連が薄い可能性が示された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年に予定していた乗船調査はCOVIDのために中止になったが,繰越により2021年5月に観光船をチャーターした調査が実施できたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
各担当で解析を進めていき,データの解釈などについては,Zoomなどで進捗状況を報告しながら連携を進めていく.学生が研究発表を対面でする機会がなくなっており,外部からの意見を聞く機会や他分野の学生,研究者との交流がないことが懸念されるが,制限されている中にあっても乗船調査ができる場合があるため,そのときに様々な分野の研究者との交流をはかる.
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 日本国内におけるザトウクジラ(Megaptera novaeangliae)の 海域間交流に関する自動照合システムを用いた研究2020
Author(s)
小林希実, 近藤理美, 辻井浩希, 興 克樹, 日田雅美, 吉川隆士, 岡部晴菜, 小川竜太, 李 天鎬, 東 直人, 岡本亮介, 内田詮三, 三谷曜子
Organizer
2020年度勇魚会オンラインシンポジウム
-