2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of hotspot formation mechanism of marine top predators in the waters around Shiretoko
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20H03054
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三谷 曜子 京都大学, 野生動物研究センター, 教授 (40538279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 織生 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (20371784)
綿貫 豊 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (40192819)
山口 篤 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (50344495)
中村 知裕 北海道大学, 低温科学研究所, 講師 (60400008)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生物多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年4~5月にJAMSTEC研究船新青丸,6月に北海道大学水産学部練習船おしょろ丸で知床周辺海域の観測を行った.その結果,根室海峡北部羅臼付近では,季節変動がオホーツク海と異なること,日周潮による内部潮汐がおよそ100mの波高を持つことが明らかになった.また,オホーツク海における植物プランクトンの水平分布について解析を行った.知床半島東岸における動物プランクトンの鉛直分布と,それらが排泄する糞粒による、鉛直的な物質輸送量(生物ポンプ)の推定を行った. 海水中の環境DNA分析より,知床周辺海域における魚類相が網羅的に検出され,それは深度や水塊によって異なることが示唆された.さらに羅臼漁業協同組合の「鮮魚取扱日報」に基づき、1970~2017年の37年間の全魚種漁獲量を集計し,その経年変化を調べたところ,4~7月期には近年マダラおよびドスイカの漁獲が卓越すると共に増加傾向にあり,特に広い深度帯に分布する後者がホットスポット形成に大きく寄与している可能性が示された. 2019,2022年の調査時に発見された海棲哺乳類は,3種のヒゲクジラ類,4種のハクジラ類,1種の鰭脚類であった.音響調査により,プランクトンの反応を示す120 kHzの周波数では,能取岬沖と知床半島周辺東西で大きな反応が見られた一方,魚類の反応を示す38 kHzの周波数では知床半島東側に大きな反応が見られた.また両周波数において,日本海側と比較して知床半島周辺海域は強い反応がみられた.基礎生産量を示すクロロフィルa濃度もオホーツク南部海域,根室海峡は高い値を示していたことからも本海域の餌環境の高さが示された. 結論として,夏季の北海道沿岸のオホーツク海では,比較的狭い範囲に異なる複数の水塊と複雑な海底地形が存在することで,多様な環境が形成され,高次捕食者にとって重要な採餌海域になっていると考えられた.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)