2021 Fiscal Year Annual Research Report
多彩な生理病理現象を制御する新奇ジアシルグリセロールリン酸化経路群の分子機構
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20H03205
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂根 郁夫 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (10183815)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / ジアシルグリセロール / ホスファチジン酸 / がん免疫 / セロトニン神経系 / ドパミン神経系 / 糖尿病 / ホスファチジルコリン特異的ホスホリパーゼC |
Outline of Annual Research Achievements |
α, δ, η, ζ, θアイソザイムが基質とするジアシルグリセロール(DG)分子種(もしくは産生するホスファチジン酸(PA)分子種)は,従来の定説に反し「ホスファチジルイノシトール(PI)代謝回転とは独立し,それぞれが異なる脂肪酸を利用する未知の経路群」により供給されることを示した.しかし,これらの経路の構成因子や分子マシーナリーは未だ不明な点が多いので,それらを明らかにすることを目的として研究を進めた. 1.DGKαのEFハンドを含むN末領域のカルシウムによる構造変化を明らかにした(論文発表済).2.ミリスチン酸がDGKδを介して筋管細胞のβ-チューブリン量を増加させることを明らかにした(論文発表済).3.Praja-1の異なる領域が選択的にドコサヘキサエン酸含有PAとDGKδに結合することを明らかにした(論文発表済).4.DGKηが神経細胞の増殖を制御し,グルココルチコイドによってDGKηの発現量が上昇することを明らかにした(論文発表済).5.ジパルミトイル-及びジステアロイル-PAがLys946と Lys951を介してPI4,5-二リン酸特異的ホスホリパーゼCに結合することを示した(論文発表済).6.飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸を含有するPAが選択的に熱ショックタンパク質27に結合することを明らかにした(論文発表済).7.DGKζがセラミドキナーゼ活性も持つことを明らかにした(論文発表済).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように,研究目的・計画に即して研究を行い,全ての項目において進捗が見られた.また,研究項目に関して,既に多数は論文を発表済みであり,また,幾つかは論文投稿中あるいは論文投稿準備中である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も,研究目的・計画に即して研究を行う.また,進捗のあった項目については更に前に進める.
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