2021 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン様オートファジー蛋白質との相互作用を介した異常オルガネラ認識機構
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20H03281
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
吉本 光希 明治大学, 農学部, 専任教授 (40399316)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オートファジー / オルガネラ / 品質管理 / 液胞 / 分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
独立栄養生物である植物は、土中から無機栄養素を吸収し、太陽光のエネルギーを最大限利用して化学エネルギーに変換することで無機物から有機物を獲得する。一方、過剰な光は植物に損傷を与えるため、太陽光は諸刃の剣である。光合成機能に必要なオルガネラ(葉緑体や緑葉ペルオキシソームなど)は光合成の過程で絶えずダメージを受けており、それらの品質維持・新陳代謝の破綻は植物を死に導く。申請者は最近、植物が光合成を行なう中でオートファジーを発動し、植物特異的オルガネラの品質管理を行うことで細胞内浄化を図り、恒常性を維持していることを見出している。 本研究では、オートファジーがどの様にして異常オルガネラを認識し、それを過不足なく分解するのか、その機構を分子レベルで明らかにすることを目的としており、今年度は以下の課題を推進した。 オートファゴソームに基質の選択性を付与するユビキチン様オートファジータンパク質ATG8に着目し、初年度にATG8と相互作用するペルオキシソーム関連タンパク質の候補を3つ同定した。昨年度、その中の一つの候補タンパク質にFLAGタグを融合させ、GFP-ATG8a発現atg2変異体に導入し、その植物体から全タンパク質を抽出して、FLAG抗体を用いて免疫沈降実験を行った。その結果、GFP-ATG8aおよび内在性ATG8が共免疫沈降してくる予備的データを得ることができたため、その候補タンパク質をコードする遺伝子のT-DNA挿入変異体を取得し、緑葉ペルオキシソームの挙動観察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オートファゴソームに基質の選択性を付与するユビキチン様オートファジータンパク質ATG8と相互作用するペルオキシソーム関連タンパク質を目的因子の候補として一つ選び、その変異体における緑葉ペルオキシソームの挙動観察を行ったが、予想に反し、野生型と同様の挙動を示す結果が得られたため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの候補タンパク質をコードする遺伝子のT-DNA挿入変異体を取得し、緑葉ペルオキシソームの挙動観察を行う。また、共免疫実験を再度行い、目的タンパク質の単離同定を試みる。
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Research Products
(6 results)