2022 Fiscal Year Annual Research Report
オーキシン極性輸送の成立に不可欠な新現象「PINクラスター」形成に関する研究
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20H03286
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
楢本 悟史 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (30612022)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オーキシン / PIN / クラスター / 相分離 / MAB4 |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナにおいて、PINクラスターの細胞分裂時の動態の更なる解析を行った。その結果、細胞分裂直後には、PINクラスター形成を司るMAB4は細胞膜には局在しないことが明らかになった。しかしながら、細胞分裂後、数分すると、MAB4が細胞質から細胞膜に局在変化を起こし、クラスター形成が促進されることが明らかになった。また、この過程では生物学的相分離の現象を経て、PINが凝集体となることが明らかになった。加えて、根の重力屈性過程におけるPINクラスターの挙動の解析を試みた。重力屈性の過程を詳細に観察すべく、横倒し顕微鏡の開発を目指した。しかしながら、顕微鏡部品の調達が遅れ、顕微鏡を完成することができなかった。横倒し顕微鏡が完成次第、重力屈性過程でのPINクラスター、およびMAB4の詳細な挙動の解析を行いたい。 上述のシロイヌナズナを用いた実験に加え、ゼニゴケにおけるPINの局在化機構に関する解析を行った。 ゼニゴケPIN1の詳細な局在解析を行うべく、抗ゼニゴケPIN1抗体の作出に着手した。ゼニゴケPIN1のペプチド配列をもとに、ゼニゴケPIN1抗体の作出を行ったところ、残念ながら、ゼニゴケPIN1を特異的に認識する抗体は作成できなかった。今後、大腸菌におけるレコンビナントPIN1タンパク質を発現することで対応する予定である。なお、機能的なPIN1-GFP発現体を用いてその局在解析も行った。しかしながらそれらの植物体では、PINの発現量が弱く、共焦点レーザー顕微鏡での観察は困難であった。今後、PIN1-GFPの発現量が強い植物体の単離も目指したい。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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