2022 Fiscal Year Annual Research Report
新生仔マウス体性感覚野で発見された新規タイプ自発活動の発生機序
Project/Area Number |
20H03346
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
岩里 琢治 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 教授 (00311332)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経科学 / マウス / 発達期可塑性 / カルシウムイメージング / 体性感覚系 |
Outline of Annual Research Achievements |
子供の時期に体内で自発的に発生する神経活動(自発神経活動)が、哺乳類脳の感覚神経回路の発達に重要な役割を担うことが、視覚系を中心とした研究で明らかになってきた。一方、それ以外のモダリティーでの自発神経活動についてはわかっていないことが多い。本研究は、研究代表者らが幼若マウスの一次体性感覚野において発見した「パッチワーク型」の特徴的な時空間パターンをもつ自発神経活動の発生機序を明らかにすることを目的とした。前年度までの研究で、自発活動が発生することが想定されるマウス三叉神経節のex vivoカルシウムイメージングシステムを立ち上げ、新生仔マウスの三叉神経節の神経細胞がヒゲ等からの入力のない状態で実際に自発的に発火することを明らかにした。さらに、三叉神経節の神経細胞が、生後2週間は高頻度で発火するのに対し、成体ではほとんど発火しないことを明らかにした。本年度は、幼若期の三叉神経節で見られる自発神経活動の性質についての詳細な解析を行い、自発活動は、三叉神経節の大部分を占める痛みを担う小さな細胞ではなく、少数派である触覚を担う大きな細胞で主にみられることを見つけた。また、三叉神経節細胞に明確にパターン化された同期活動は見られないものの、高い同期を示す神経細胞同士は有意に近傍に位置するを示した。同じヒゲに投射する神経細胞同士は三叉神経節内で近傍に位置することが知られていることから、そうした細胞が同期する可能性が示唆された。この仮説は今後検証する必要がある。さらに、薬理学、及び、遺伝学的手法により、各種の神経伝達を阻害しても自発活動が失われないこと、一方、細胞外カルシムを阻害することによって活動が消失することを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)