2021 Fiscal Year Annual Research Report
Genomic analysis-based neuropharmacological study on basal ganglia-thalamocortical circuits for new drug discovery in schizophrenia
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20H03428
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 清文 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (30303639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 拓 藤田医科大学, その他部局等, 教授 (10377426)
溝口 博之 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (70402568)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Rhoキナーゼ / Fasudil / 抗精神病作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度に予定したROCK2選択的阻害薬KD025と非選択的阻害薬Fasudilの抗精神病作用の比較検討は終了した。Fasudilと同様、KD025は各種統合失調症動物モデルにおいて、抗精神病様作用、認知機能改善作用および社会性障害改善作用を示した。令和3年度には、KD025およびFasudilがドーパミンおよびセロトニン放出に及ぼす影響をin vivo dialysis法を用いて明らかにした。また、ARHGAP10遺伝子変異を有する病態モデルマウスの大脳皮質神経細胞のスパイン密度の減少に対する両薬物の効果を調べた。その結果、両化合物は野生型マウスのスパイン密度には影響せず、病態モデルマウスのスパイン密度の減少を有意に改善した。さらに、ROCKの基質タンパク質のリン酸化レベルの変化を免疫組織染色法あるいはWestern blot法により解析した結果、メタンフェタミン処置によりマウス前頭葉皮質および線条体においてROCK活性が亢進し、Fasudilにより抑制されることを確認した。 現在、線条体のドーパミンD1受容体発現中型有棘神経細胞(DIR-MSN)の神経活動に対するROCK阻害薬の効果をTFphoシステムを用いて検討中であり、メタンフェタミン処置によりD1R-MSNの活性が上昇し、自発運動量が増加することを確認した。Fasudilはメタンフェタミンによる自発運動量の増加を有意に抑制したが、D1R-MSNの神経活動の変化に対しては有意な抑制効果を示さなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書を記載した令和2年度および3年度の研究計画について、ほぼ予定通りに実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
D1-MSNの神経活動に対するFasudilの効果を明らかにするとともに、ARHGAP10遺伝子変異マウスモデルの神経活動の変化とFasudilの効果について検討する。さらに、これまでの研究結果を国内外の学会で発表し、国際雑誌に投稿・論文化を進める。
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Research Products
(7 results)