2022 Fiscal Year Annual Research Report
増殖の臓器指向性と一細胞遺伝子発現解析に基づく治療最適抗腫瘍T細胞クローンの同定
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20H03474
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
上羽 悟史 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 准教授 (00447385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七野 成之 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 助教 (70822435)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | TCRレパトア / 免疫チェックポイント / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度に担がんマウスモデルにおいて抗CD4抗体や抗PD-L1抗体などによる治療介入を行うと、腫瘍内存在頻度が10位以内のクローンで構成されるoligoclonal画分は頻度に変動がない一方、11位以下のクローンで構成されるpolyclonal画分が大きく増加するclonal spreadingを認め、その程度が抗腫瘍効果と強く相関することを見いだした。2022年度はこれらのpolyclonal画分を構成される細胞がどのような性質をもつかを独自に開発したsingle-cell TCR/RNA seq技術により解析した。遺伝子の発現パターンに基づき腫瘍浸潤CD8+ T細胞をクラスタリングし、Oligoclonalおよびpolyclonal画分に属するクローンを構成する細胞の性質を解析したところ、polyclonal画分に疲弊前駆細胞が濃縮されることが明らかとなった。また、ジフテリア毒素の投与によりmature regulatory DC (mregDC)を特異的に除去可能な遺伝子組み換えマウスを用いて、clonal spreadingの誘導にmregDCが中心的な役割を果たすことを明らにした。また、細胞周期レポーターマウスを用いて、ICIが特にリンパ節における腫瘍反応性クローンの増殖を強化することで、腫瘍へ多様なクローンを供給することを明らかにした。これらの結果は、抗CD4抗体やPD1阻害剤などの免疫治療が高頻度に存在するMajor cloneの疲弊を阻害するのではなく、多様かつ機能性を備えたクローンをがん免疫サイクルに動員するclonal spreadingを介して抗腫瘍効果をもたらすことが明らかになった。本知見は、今後のがん免疫治療を開発する重要な免疫学的基盤を確立するものといえる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)