2021 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analyses of RBC-malaria parasite PPI interactome
Project/Area Number |
20H03481
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坪井 敬文 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 特命教授 (00188616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 浩之 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (40609393)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マラリア原虫 / 赤血球 / タンパク質 / インタラクトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリアに対するワクチンや薬剤開発には、マラリア感染の分子機構、中でもマラリア原虫-宿主分子間相互作用の理解が必須であるがほとんど解明されていない。本研究では、マラリア病害の主戦場である赤血球期に焦点を絞り、原虫と赤血球のタンパク質-タンパク質相互作用(PPI)を、我々の開発したAlphaScreenを応用した新技術で網羅的に測定する。これにより、マラリア原虫と赤血球のタンパク質インタラクトームの全貌を明らかにし、マラリア原虫メロゾイトの赤血球侵入や、侵入後の原虫の赤血球内での寄生維持の分子機構を解明することを目的とする。 昨年度は、2000種類のマラリア原虫完全長cDNAクローンセットから、赤血球期原虫で発現しかつ宿主分子との直接PPIの可能性がある分泌型または膜貫通領域を持つ原虫タンパク質のcDNAクローン300種を選択し、赤血球期マラリア原虫タンパク質アレイ(SPMAPA)としてコムギ無細胞法で合成し、次の段階のAlphaScreenに使用できる品質であることを確認した。また、2000種類のタンパク質からなる赤血球タンパク質アレイ(RBCPA)のうち、直接マラリア原虫メロゾイトが赤血球に侵入する際のレセプターとなる可能性の高い赤血球膜タンパク質(GPIアンカー型も含む)273種類を、N末にFLAGタグを付加して合成した。さらにその品質評価を目的に、メロゾイトリガンドとして良く知られているerythrocyte binding-like proteins (EBL)をモデルに用いて、AlphaScreenで273種類の赤血球膜タンパク質とのPPIを総当たりで測定した。その結果未知の赤血球レセプターの同定に成功した。 本年度は、同定されたタンパク質-タンパク質間相互作用の解析に必須な技術を確立するため、免疫沈降法及び新規タグの開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作製した赤血球膜タンパク質アレイを用いて、すでにEBLに対する未知の赤血球レセプタータンパク質の同定に成功した。さらに、同定されたタンパク質-タンパク質間相互作用の解析に必須な技術として、免疫沈降法及び新規のタグの開発に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
赤血球タンパク質アレイ(RBCPA)のうち、直接マラリア原虫メロゾイトが赤血球に侵入する際のレセプターとなる可能性の高い赤血球膜タンパク質(GPIアンカー型も含む)273種類が、有効に機能することが初年度で既に判明した。また、今年度は同定されたタンパク質-タンパク質間相互作用の解析に必須な技術として、免疫沈降法及び新規のタグの開発に成功した。今後は、赤血球期マラリア原虫タンパク質アレイ(SPMAPA)の中で優先的に解析すべきマラリア原虫の宿主感染関連タンパク質の同定を進めるとともに、ヒトタンパク質アレイを用いたインタラクトーム解析を進める予定である。
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