2020 Fiscal Year Annual Research Report
ホーミングペプチドを基盤にした新規膵癌バイオマーカー及び膵癌標的化抗体医薬の開発
Project/Area Number |
20H03527
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
近藤 英作 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30252951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯岡 英和 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20425416)
阪口 政清 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70379840)
齋藤 憲 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70426584)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / バイオマーカー / 抗体 / 標的化 |
Outline of Annual Research Achievements |
準備研究により膵がん細胞ホーミングペプチドの細胞内への取り込みに関与するアクセプター分子(受容体)として候補に挙がっているreceptorφについて、その発現と局在を患者浸潤性膵管癌組織30症例に検索を拡大して解析した。結果、receptorφは全例で膵癌細胞膜上に特異的な発現を認め、膵がん細胞ホーミングペプチドに対する特異的受容体であうこと、及び膵癌細胞において膜局在分子として何らかの生物学的役割を果たしていることが推察された。一方、receptorφの細胞外領域を特異的に認識する抗体の初回試作に失敗したため、現在新たな手法で特異抗体作成を実施中である。この経緯から、第2年度に予定していた「新規膵癌細胞膜受容体候補の生物学的な分子機能の洗い出し」のための解析を前倒しし、CRISR/Cas9 systemを用いたreceptorφノックアウトcloneを2種類の膵癌細胞株BxPC3, HPAF IIそれぞれで作成することに成功した。現在、これらノックアウトクローンと野生型を比較サンプルとしたNGS RNA Seq解析を実施中である。この結果から、の重要な膵癌細胞における生物学的機能の洗い出しを進める計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画の中核を成す「receptorφの細胞外領域を特異的に認識する抗体」の初回試作に失敗したため、初年度計画として一部重要なマイルストーンが未達成である。現在この細胞外領域特異抗体の作製に関してエクソソームを用いた新たな手法で作成を再度実施中である。その他の計画項目については達成できており、また第2年度の目標としていた分析項目について前倒しで初年度末に着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
receptorφの細胞外領域を特異的に認識する抗体を可及的速やかに獲得する。 続いて、得られた抗体を用いたin vivo担癌マウス投与アッセイを実施・検証し、ヒト膵癌の新規バイオマーカーであり、標的医療に応用可能であることを確証する。
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Research Products
(11 results)