2020 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the symptom diversity corresponding to characteristics of brain activity in young children with autism spectrum disorder
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20H03599
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
菊知 充 金沢大学, 医学系, 教授 (00377384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 茂 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00210633)
吉村 優子 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70597070)
廣澤 徹 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (80645127)
AN KYUNGMIN 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (80866054)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 脳磁図計 / 多動性障害 / 認知機能 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度はコロナ禍のため、人を対象とする研究を実施することが困難であり、実際に被験者募集を行う事ができなかった。そのため、幼児に適したMEGの測定環境の一層の整備をすすめるとともに、これまでのMEGおよび遺伝子のデータを分析して論文化することに注力した。興奮・抑制系バランス(GABA系)を反映する40Hz聴覚応答を測定し、脳の特徴を数値化し、表現型多様性を表現する生理学的指標として評価し、自閉症児における特徴をPsychiatry Clin Neurosciに論文報告した。また、定型発達児における、聴覚野の音への反応が、知能とどのように関係しているか時間周波数分析を行い、Hum Brain Mapp.に論文報告した。また、0~3歳までに、人の音声への脳の反応が、どのように変化していくか、縦断的なデータをBrain Behav.に論文報告した。また、てんかん様の脳磁図波形の出現頻度が、自閉症の社会性にどのような影響を与えているかを、Psychiatry Clin Neurosci.に論文報告した。遺伝子については、綿棒で頬粘膜を擦過して細胞を300以上の参加者から得ている。そのうちTDおよびASD合計193サンプルについては、ゲノムを増幅し、約50個の遺伝子について次世代シーケンス用ライブラリを作成し、その遺伝子多型と表現型、脳機能の関係についての関係を調べている。現在特定の遺伝子について、定型発達児においても社会性に影響していることを見出し、発表の準備を進めている(未公開)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため、データ収集には困難があったが、これまでのデータの分析に全力を尽くすことができた。その結果、沢山(MEGに関してだけでも4本以上)の英文論文が受理され、さらには、遺伝子解析についても、頬粘膜からの遺伝子を増幅し、分析をすすめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプルを増やす。つまり定型発達者と、ASDと診断された幼児計50名(3~7歳前後)を令和3年度にリクルートして、データ収集を続ける。ひきつづき下記のように、社会性、認知機能、脳機能、遺伝子型についてのデータ収集を実施する。社会性の成長過程の行動評価として、ADOSをもちいて行動観察を行い確認する。また養育者による社会性の評価を日本語版Social Responsiveness Scale-2で実施することで、日常生活における社会性の評価を行う。多動性については、ADHD Rating Scale-IVおよびStrengths and Difficulties Questionnaireを用いて反抗や反社会的行動などの行為面、集中力の欠如や多動性などの多動と不注意の問題を評価する。認知機能の評価はK-ABC(Kaufman Assessment Battery for Children )を実施する。MEGを用いて、興奮・抑制系バランス(GABA系)を反映する40Hz聴覚応答を測定し、脳の特徴を数値化し、表現型多様性を表現する生理学的指標として評価する。さらに、脳内ネットワークをグラフ解析をもちいて、数値化する。幼児からストレスなく遺伝子サンプルを抽出するために、綿棒で頬粘膜を擦過して細胞を得て、DNAを増幅し、解析を進める。遺伝子と脳指標との関係を分析し得られた所見を、国際論文として発表する。
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