2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of efficient microscale automated module for radiosynthesis of 18F-labeled probes
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20H03614
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 名誉教授 (60143038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和弘 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20370257)
原田 龍一 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60735455)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロスケール合成 / フッ素-18 / PETプローブ / 自動合成 / 標識反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の実績を実施計画に沿って1~3に示す。 1)20μL以内の溶離液で[18F]フッ素イオンを効率よく回収する方法の開発は本研究開発の中心をなす課題である。最近の発表論文から期待できた市販の陰イオン交換マイクロカラム(OPTI-LYNX)を入手し、HPLCポンプとインジェクターを組み合わせた装置を試作し評価した結果、20μLの溶離液では目標とする[18F]フッ素イオンの捕捉率と溶出率をともに達成することができなかった。またその効率の再現性も低かった。 2)マイクロスケール合成法の普及を目指し、反応溶媒の濃縮合成法の有用性を示すため市販自動合成装置であるGE社製のFASTlabと住重社製のCFN-MPS200を使用して、2つの18F-標識プローブ合成に溶媒濃縮法を適用して、反応のスケールダウンを試みた。その結果、一般的に使用される反応スケールの1/5以下(100μL以下)に減らしても、その18F-標識効率を低下させることなく良好な放射化学的収率で目的プローブを合成できた。また、反応物の精製に使用するHPLCカラムも、従来法で一般に使用されるものより一回り小さなサイズのカラムで高品質な18F-標識プローブを得ることができることを示した。 3)実用的なマイクロスケール合成法を実現するための自動合成装置の設計を進めたが、使用を予定していたマイクロシリンジポンプの仕様が適合しないことが判明したため、設計を中断し代替品を検索中である。また、20μL程度の[18F]フッ素イオン溶離液から出発して3μL以下の反応溶媒で標識反応が行える新しい反応容器の概念設計も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究開発の進捗状況は遅れ気味である。その大きな原因の一つは、計画には考慮されていなかったCovid-19感染拡大によるサイクロトロン運転期間の短縮とそれに伴う実験回数の削減である。予定していた実験回数の20%近くが実行できなかった。加えて、文献を信頼して[18F]フッ素イオンが市販カラムで簡単に20μL以下に効率よく濃縮されるものと考えていたが、大きな期待外れであった。また、予定していた市販マイクロシリンジポンプもそのまま採用できず、設計の見直しをせざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
[18F]フッ素イオン濃縮に関しては、OPTI-LYNXカラムによる方法を詳細に検討して文献値を再現するように努める一方、陰イオン交換マイクロカラムと陰イオン交換膜をセットしたマイクロホルダーを新たに試作して評価し、20μL近くまでの効率的な濃縮法を確立する。 市販自動合成装置による濃縮合成は、できるだけ多くの有用とされる18F標識プローブ合成に適用するとともに、一層のスケールダウンを進める。 マイクロスケール自動合成装置の開発に関しては、新しいマイクロシリンジポンプを見出すとともに反応容器を試作して評価するが、[18F]フッ素イオンの回収容量に合わせる必要があるため、試作等は濃縮法の完成を待って行う。
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Research Products
(5 results)