2021 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis and application of hematopoietic stem cells to chemicals that replacement for albumin function
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20H03707
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山崎 聡 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50625580)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / 培養 / 化学ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞の培養に必須であったアルブミンタンパク質を化学物質であるボリヴィニルアルコール(PVA)へ代替えすることで造血幹細胞の長期培養によると大幅な増殖系に成功し国内外で大きなインパクトを与えた。以上のことから本研究課題はアルブミン代替え物質の性質を理解することでHSCの機能や細胞増幅を制御可能にする技術開発を目指し、マウスやヒトの造血幹細胞を培養可能にする新たな培養システムの構築を目的とする。以上のことから、令和3年度は令和2年度で同定したポリマーを用いて以下の研究をおこなった。1)単一の物質により1週間から1ヶ月ほど培養した造血幹細胞を放射線照射したマスウへ移植することで、どの程度の期間において幹細胞性か維持可能かを解析した。さらに、限界希釈法により幹細胞がどの程度増殖可能かを定量的に明らかにした。2)スクリーニングによって選出された物質は構造や性質が微妙に異なっていることが予想し、単純にはタンパク質の接着性、細胞膜保護、粘性度などが考えられた。これらの性質の組み合わせによりex vivoにおける造血幹細胞の未分化性維持がより向上させることが期待させることから、培養液に加える各物質の比を組み合わせ1週間から1ヶ月ほど培養した造血幹細胞を放射線照射したマスウへ移植することで、どの程度の期間において幹細胞性か維持可能かを解析した。3)一方でアルブミンを代替えする物質としてPVA以外にもPoloxamerなどの物質が存在するが、本研究におけるスクリーニング系によりその他の物質が同定されることが予想され、これらの化学式及び構造に基づき共通的を見出すことにより、なぜこれらの物質が培養中において造血幹細胞に作用し細胞の増幅や未分化性の維持を担っているのかを生物学と化学的観点から解き明かした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究提案書に基づいて、スクリーニングにより同定したポリマーが培養中において造血幹細胞に作用し細胞の増幅や未分化性の維持を担っているのかを生物学と化学的観点から解き明かしたことからおおむね順調に進展していると結論ずけている。
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Strategy for Future Research Activity |
スクリーニングで同定した物質においてもマウスとヒトの造血幹細胞間で異なる表現系を示すことが予想される。以上のような仮説から、申請者は前年度で得られたデータと同様の実験系による臍帯血由来ヒトCD34陽性を用いた研究を行う。具体的には物質の単一と性質の組み合わせ条件下によりex vivoにより1週間から1ヶ月ほど培養したCD34陽性細胞を放射線照射した重症免疫不全マスウへ移植することで、マウスの造血幹細胞と同等な結果を得られるのか、もしくはヒト特異的な条件があるかを探索する。さらには、CMLやAMLなどの患者由来のCD34陽性細胞を用いることにより同様の実験を行うことで、ヒト白血病幹細胞の増幅技術の開発も同時に行う。
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Research Products
(14 results)