2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the molecular basis of anesthesia-induced alteration of immune response through regulation of oxygen homeostasis
Project/Area Number |
20H03776
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
広田 喜一 関西医科大学, 医学部, 教授 (00283606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 達志 関西医科大学, 医学部, 准教授 (00286444)
坊農 秀雅 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 特任教授 (20364789)
松尾 禎之 関西医科大学, 医学部, 講師 (50447926)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 麻酔 / 長期予後 / 免疫 / 酸素代謝 / HIF / 代謝リプログラミング / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
麻酔薬が酸素代謝とエネルギー代謝を結ぶ転写因子hypoxia-inducible factor 1(HIF-1)の活性調節に深く関与することに鑑み、麻酔が免疫担当細胞に誘導される代謝リプログラミングとそれに続くエピゲノム変化にどのような影響を及ぼすか、マウスモデルを用いて検討し免疫系という記憶システムに与える麻酔薬の影響を分子レベルで明らかにする事が本研究の目的である。 獲得免疫能への影響の検討に先駆けて細胞内代謝様式の変化(リプログラミング)を指標として、炎症応答におけるマクロファージ活性化の分子機序について解析を行った。炎症刺激直後に解糖活性の上昇が認められ、炎症マーカーの発現上昇や低酸素誘導性因子HIF-1の活性化を経て、ミトコンドリア呼吸がほぼ抑制された代謝モードへと移行した。ミトコンドリア呼吸鎖複合体の機能は正常に保たれており、基質供給に関わる経路の遮断により炎症物質除去後も長時間にわたり代謝リプログラミングが維持されると考えられた。 酸素ホメオスターシスの異常が免疫応答、特にB細胞による抗体産生に影響を及ぼすか否かを明らかにするために、HIF-1の負の制御因子であるVhlをB細胞特異的に欠損させたマウスを樹立し解析に取り組んだ。B細胞特異的Vhl欠損マウスは骨髄におけるB細胞分化が障害を受け、末梢のB細胞数が激減すると共に、定常状態における抗体レベルが著しく低下することが明らかとなった。 RNA-Seqデータ解析に必要なプログラム群を検討した。Common Workflow Language (CWL)で記述することで、多様なコンピュータ環境においてそれらのプログラムがシステムそのものにインストールする必要なくDockerなどの仮想環境上で実行可能なワークフローとして利用可能とした。以上の進捗が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルスの流行により研究の遂行に障害が生じた。 マウスモデルの構築などが当初の計画通りに進行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は研究計画に沿った進捗を取り戻すべく研究を進めていきたい。 特にマウスモデルの構築を行い、その上で、獲得免疫担当の酸素代謝と機能に麻酔薬が及ぼす影響の検討に注力する。
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Research Products
(8 results)