2020 Fiscal Year Annual Research Report
子宮がん自然発症マウスモデルを用いたがん発生を制御する上皮・間質の相互応答の解明
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20H03822
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大黒 多希子 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (30767249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
馬場 長 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60508240)
三上 芳喜 熊本大学, 病院, 教授 (90248245)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮がん / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
癌の進展に間質細胞との相互作用が重要であることは広く知られているが、がんの発生における上皮・間質細胞間の相互応答の役割は不明な点が多い。申請者は子宮体癌の発生のメカニズムを解析するために、Pten遺伝子を子宮内膜特異的、子宮上皮特異的および子宮間質特異的に欠損するマウスを作製した結果、子宮体癌の発生には上皮細胞に加え間質細胞でのPten遺伝子欠損も必須であることが明らかとなった。一方で上記マウスにプロゲステロンを投与したところ、子宮内膜特異的Pten欠損マウスにのみ子宮肉腫が発生することが観察され、子宮体癌とは逆にPten遺伝子の機能が保存されている上皮細胞が肉腫化を抑制している可能性を見出した。 本年度は、まず、子宮体癌に関与する間質因子の探索のために、子宮上皮特異的Pten欠損マウスと子宮体癌を発症する子宮内膜特異的Pten欠損マウスの間質の遺伝子発現をマイクロアレイによって比較解析した。その結果、いくつかの候補遺伝子を見出した。 また、子宮肉腫発症に関与する上皮因子は、子宮肉腫を自然発症するプロゲステロンを投与した子宮内膜特異的Pten欠損遺伝子の上皮と子宮肉腫を発症しないプロゲステロンを投与した子宮間質特異的Pten欠損マウスの上皮の遺伝子発現をマイクロアレイによって比較検討した。その結果、いくつかの候補遺伝子を見出した。さらに、男性ホルモンが子宮がん発生にどのように関わるかについて解析するために必要な、遺伝子改変マウスの作製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、マイクロアレイを行うことができた。また、必要な遺伝子改変マウスの作製も行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、子宮体癌もしくは子宮肉腫発症に関与する間質因子もしくは上皮因子の探索とその分子機構の解明を行う。 子宮体癌に関与する間質因子は、子宮上皮特異的Pten欠損マウスと子宮体癌を発症する子宮内膜特異的Pten欠損マウスの間質の遺伝子発現をマイクロアレイによって比較解析した結果、候補遺伝子が幾つか得られたため、これらの発現についてマウス検体と臨床検体で確認するとともに機能解析を行う。また、候補遺伝子の遺伝子改変マウスの作製を試みる。さらに、作製できた候補遺伝子の遺伝子改変マウスを子宮体癌モデルと掛け合わせて、腫瘍の形成に影響があるかどうかについて観察する。 子宮肉腫発症に関与する上皮因子は、子宮肉腫を自然発症するプロゲステロンを投与した子宮内膜特異的Pten欠損遺伝子の上皮と子宮肉腫を発症しないプロゲステロンを投与した子宮間質特異的Pten欠損マウスの上皮の遺伝子発現をマイクロアレイによって比較検討した結果、候補遺伝子が幾つか得られたため、これらの発現についてマウス検体と臨床検体で確認し、機能解析を行う。さらに、候補遺伝子の遺伝子改変マウスの作製を試みる。また、候補遺伝子の遺伝子改変マウスの作製を試みる。さらに、作製できた候補遺伝子の遺伝子改変マウスを子宮肉腫発症モデルと掛け合わせて、腫瘍の形成に影響があるかどうかについて観察する。 さらに、子宮体癌および子宮肉腫発症に男性ホルモン受容体がどのような影響をあたえるか解析するために、子宮体癌および子宮肉腫発症モデルでアンドロゲン受容体を欠損させて、腫瘍が形成されるかどうかを観察する。
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