2021 Fiscal Year Annual Research Report
口腔細菌叢・歯周病原細菌を標的とした認知症対策の可能性の検討
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20H03904
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
松下 健二 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 部長 (90253898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐治 直樹 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, もの忘れセンター, 副センター長 (30624910)
道川 誠 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40270912)
里 直行 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 認知症先進医療開発センター, 副センター長 (70372612)
多田 浩之 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70431632)
山田 匡恵 (古川匡恵) 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 外来研究員 (90439456)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周病 / アルツハイマー病 / 脳血管障害 / 血管炎症 / 16S rRNA菌叢解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病および口腔機能と認知症の関係を明らかにするため、国立長寿医療研究センターもの忘れセンターを受診する患者について、本研究の内容を口頭と文書で説明し、同意の得られた被験者を受診時の診断(研究分担者:佐治直樹)に基づき、健常、軽度認知障害(Mild cognitive impairment: MCI)、認知症の三群に分類し、同被験者の歯周病精密検査、口腔機能検査、および口腔内細菌採取を実施した。電子カルテを用いて、患者の①基本情報、②診断名、③総合的機能評価、④神経心理評価、⑤身体機能評価、⑥頭部MRIや脳血流シンチなどの画像情報、血液バイオマーカーなど様々な臨床情報を収集し、患者登録時のこれらの情報と口腔内診査情報および口腔細菌叢の情報について横断解析を実施している。現在、約180名の被験者の歯科検診を修了するとともに、舌苔プラークと歯肉縁下プラークの解析を実施中である。現在までのところ、各種口腔機能の低下と認知機能の低下との間に有意な相関関係が認められている。また、保有歯数減少と認知機能低下の間に有意な相関関係が認められた。加えて、BOPやPISA(Periodontal Inflamed Surface Area) と認知機能との間にも有意な相関関係が見られた。現在、歯周病、口腔機能と認知症・認知機能の三者の相互関連性についても解析を進めている。加えて、口腔清掃習慣と認知機能との関連性も検討中である。本年6月に開催される日本歯周病学会でその解析結果の一部を発表する予定である。また現在、糖尿病合併認知症モデルマウスの口腔内の解析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年に引き続き、認知症患者の登録と各種検査を継続した。その結果、認知症患者について約80名、MIC患者についても約80名の登録を行うことができた。一方、健常者の登録については20名程度にとどまっており、健常者のデータをいかに増やしていけるかが今後の課題である。また、細菌叢解析は外部委託で行なっているが、コロナ禍における在宅勤務やクラスター発生によって、データの取得に遅延が生じている。具体的には、約半数(100名分)の解析が終了していない。これに関しては本年度夏までに終了する予定である。一方、アルツハイマー病モデルマウスからの口腔組織および細菌叢等の採取も終了し、現在それらの解析を行なっている。これについても、マウスの飼育中の死亡が多数見受けられたため、必要な匹数の確保に時間を要してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
先に述べた諸事情により、解析が少し滞っているが、来年度夏までにデータの収集を完了し、急ピッチで解析を進める予定である。健常者のデータに関しては、引き続き被験者登録を進め、必要匹数を早期に達成できるよう努力する。
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Research Products
(12 results)