2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of predictors of attention deficit / hyperactivity disorder by longitudinal analysis
Project/Area Number |
20H03938
|
Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
仲井 邦彦 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 教授 (00291336)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 千晴 東北大学, 大学病院, 助教 (00733106)
龍田 希 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40547709)
和田 陽一 東北大学, 大学病院, 助教 (60843670)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 注意欠如・多動性障害 / 自閉スペクトラム症 / ADHD / 縦断的コホート研究 / 疫学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
注意欠如・多動性障害(ADHD)および自閉スペクトラム症(ASD)などの小児疾患が増加しているが、ADHDの診断は小学校就学後に行われることが多い。しかしながら、より早期に疾患リスクを把握することが可能ならば、予防または早期介入が可能と期待される。我々は子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)の追加調査として、宮城県内で出生後から小児の行動特徴に着目した縦断的調査を継続しており、3歳半で保育所・幼稚園の担任教員の協力を得て注意欠如・多動(ADH)傾向などの問題行動に関する行動特徴スコアを収集した。その対象児が就学期を迎え、ADHDの診断情報が収集可能となったことから、ADHDおよびASD発症と、3歳半の行動特徴との関連性を明らかにする解析を目指した。両疾患の発症と関連する交絡要因として、母(喫煙・飲酒習慣、在胎期間、授乳期間、母IQ、収入などの社会経済的条件、妊娠中母体血および臍帯血オメガ3系脂肪酸であるEPA/DHAなど)および児(体格指標、発達指数、知能指数、受動喫煙など)について、エコチル調査のデータベースと連結することでデータを収集する。 ADHDの疾患情報については、当初、母記載の自記式調査票により収集された小児医療機関名を確認し、診療簿に基づいて疾患情報を再収集する計画であったものの、2020年1月上旬に発覚した新型コロナ感染症の蔓延が収束せず、特に2021 年はオミクロン株の蔓延で小児の感染者数が急増した。その影響で小児科医療分野における疫学調査は、引き続き中断・延期せざるを得ず、医療機関での調査を進めることができなかった。このため注意欠如・多動症に関わる疾患情報は、エコチル調査で実施されている母による自記式調査票の疾患情報に依拠し解析することに変更し、調査を継続している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小児の注意欠如・多動性障害に関する疾患情報の収集を、対象児が受診した小児科医療機関の診療簿に基づいて再収集する計画であったが、新型コロナ感染症の蔓延が2021年度も収束せず、医療機関への立ち入りが困難な状況が継続したことから、疾患情報を診療簿に基づいて収集することが不可能となった。このため疾患情報の収集は母親記載の自記式調査票のデータを用いることに変更した。このような事情で調査はやや遅れているが、2022年度秋までに疾患情報を含むデータベースの固定は可能であると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ADHDおよびASDについて、小学校就学後に収集される疾患情報と、3歳半にて収集した行動特徴との関連性について、データベースを確立し、統計解析を進める。交絡要因として、母(喫煙・飲酒習慣、在胎期間、授乳期間、母IQ、収入などの社会経済的条件、妊娠中母体血および臍帯血オメガ3系脂肪酸であるEPA/DHAなど)および児(体格指標、発達指数、知能指数、受動喫煙など)を考慮した多変量解析を行う。ADHDは就学後に診断されることが多いものの、仮に3歳半の行動特徴によりADHD(厳密には注意欠如・多動(ADH)傾向)が予見可能であれば、予防や早期介入に資する基礎的な情報を収集可能と期待される。目的変数となる疾患情報の収集は、当初計画では、エコチル調査で実施される自記式調査票による母の回答に加え、診察医療機関が判明している場合は診療簿に基づく医療情報での解析を予定していたが、新型コロナ感染症の蔓延を受け、小児医療機関での調査を断念し、自記式調査票の回答のみに基づいて解析を行う。説明変数となる行動特徴は、過去に実施した注意欠如・多動(ADH)傾向などの問題行動に関する行動特徴スコアに基づくものであり、連続変数およびカットオフ値により二値化して解析に用いる。そのほかの交絡要因などはエコチル調査のデータベースを活用する。2022年秋までにデータベースを構築・固定し、多重ロジスティック解析による解析を進め、研究の統括を行う。
|