2022 Fiscal Year Annual Research Report
International study of "Life Association Method" in the preventive care for community-dwelling elderly people.
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20H04012
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
佐々木 明子 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (20167430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (40334445)
田沼 寮子 東都大学, 沼津ヒューマンケア学部, 准教授 (70336494)
塩満 智子 東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 講師 (90468025)
大友 美恵 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助教 (80838350)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 連想法 / 介護予防 / 国際研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究者らが開発した高齢者の介護予防における「連想法」は、回想にとどまらない、過去と現在との双方向の時間軸で想起を促す方法として、認知機能低下予防やQOLの維持・向上、社会交流の推進に一定の効果があると明らかにしつつある。しかし、文化や生活の異なる国の高齢者への活用の効果については未検証である。そこで、国際的方法の確立と高齢者への効果を明らかにする研究を行った。 令和2年度より、フィンランドの文化や生活に根差した「連想法」素材の開発と、フィンランド人のファシリテーター養成のために視聴覚教材を開発し研修をおこなった。 調査協力の同意が得られたフィンランド南オストロボスニア圏域11か所の65歳以上の地域在住高齢者114人を対象に、「連想法」を行った。介入群62人、対照群52人を設定し、介入群へ週1回6か月間にわたる「連想法」プログラムを開始した。高齢者への質問紙調査は、ベースライン調査、3か月後調査を終え、フィンランドから調査票を回収した後、結果を分析した。介入群、対照群の両群とも、独居高齢者の割合が多かった。3か月後には、障害高齢者の日常生活自立度、認知症高齢者の日常生活自立度、主観的健康状態、QOLなどに有意な差がみられなかったが、認知機能に関しては、介入群の75歳以上で有意に改善がみられた。 「連想法」を行ったファシリテーターの高齢者への参与観察では、フィンランド語で作成した「連想法」の素材は、歴史的建造物や家族や子ども等に関する素材より、食べ物や動物に関する素材では会話や相互交流が活発になることが明らかになった。効果の高い素材が明らかになったが、会話を促すファシリテーターの進行方法等、引き続き把握していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北欧のフィンランド国内での自治体の大規模な保健福祉機構改革があり、組織が安定するまでは、調査と「連想法」の実施を延期したいとの要請があった。そのため開始を当初予定より遅らせていた。しかし、延期されていた南オストロボスニア圏域11か所すべての介入群、対照群における調査と「連想法」の実施が開始しており、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
北欧のフィンランドの南オストロボスニア圏域11か所での地域在住の高齢者への6か月後の調査を行い、分析をして結果をまとめていく。 現地の研究者や実践者と連携し、調査票の回収を進め、すべての調査結果の取りまとめを行う予定である。 さらに、量的な分析だけではなく、ファシリテーターからみた「連想法」実施前後の高齢者の状況や、連想法に関する効果、効果的な素材に関する知見を質的な分析をして明らかにしていく予定である。
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