2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Bayesian modeling approach to understand multicellular dynamics
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20H04281
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島村 徹平 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00623943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 興 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (70832533)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 深層生成モデル / 一細胞解析 / マルチオミクス / 時空間解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ベイズモデリング技術を技術面の柱として、一細胞レベルでの多次元データを適切に処理・解析・統合し、多細胞が織りなす相互作用ネットワークのダイナミクスを可視化・数式化する情報解析技術を開発する。一連の研究から、分子・細胞スケールの多細胞時空間動態の特性とマクロスケールの生命現象との関係を明らかにする。具体的には、①多細胞の時空間動態を可視化する技術の開発(一細胞動態可視化)、②一細胞スケールでの異なる生命情報を統合する技術の開発(一細胞データ融合)、③多細胞時空間動態が切り替わる変化点を検知する技術の開発(一細胞動態変化点検知)に関する研究を推進する。2021年度は以下のような進展があった。(1)開発モデルを用いた分子標的薬モガムリズマブによる固形がんへの治療効果解析:開発モデルを第Ib相臨床試験に参加した進行性固形がん患者39名の末梢血検体を用いた抗体投与前後のCyTOFデータに適用した。その結果、末梢血中の制御性T細胞は効率的に除去されおり、さらにCD8陽性T細胞の一部も同時に除去されていることが明らかになった。以上の解析結果を論文投稿し、国際科学誌Nature Communicationsに掲載された。(2)一細胞マルチオミクスデータを統合解析する深層生成モデルの開発:一細胞レベルのオミクス階層間の情報を統合するための深層生成モデル(scMM)を開発し、シミュレーションデータおよび実データで開発手法の有用性を検証した。以上の解析結果を論文投稿し、国際科学誌Cell Reports Methodsに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の基盤となるモデリング技術を開発し、シミュレーションデータおよび実データでその有用性を検証できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の基盤となるモデリング技術開発を引き続き進めるとともに、分子・細胞スケールの多細胞時空間動態の特性と生命現象との関係を明らかにする解析基盤を構築する。
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