2022 Fiscal Year Annual Research Report
認知症の人の生活意欲を高めるケアスキルの「会得」支援システムの開発
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20H04296
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
桐山 伸也 静岡大学, 情報学部, 教授 (20345804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 美亜 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任教授 (00327660)
石川 翔吾 静岡大学, 情報学部, 講師 (00626608)
小川 敬之 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (50331153)
飯山 将晃 滋賀大学, データサイエンス学系, 教授 (70362415)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ケアスキル / マルチモーダルインタラクション / 状況理解 / 学習環境デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者の生活支援ケア向上のため、具体的な介入プログラムの設計開発並びに認知症ケアリハビリ施設における実践を通して、その効果を検証した。 認知症高齢者の生活の質に大きく影響を及ぼす歩行と姿勢の状態改善を主眼に、多世代の多様な人々を対象に長年に亘って現場介入を実践してきた柔道整復師を研究協力者に迎え、心身の健康増進のための歩行と姿勢の運動介入プログラムのプロトタイプを開発した。 前年度までに開発した当事者本人の状態像の特徴を複数の観点から捉えることができるマルチモーダル心身環境センシング基盤のもとで、カンファレンスを基軸に歩行と姿勢に関する介入運動プログラムの設計開発評価を一貫して行える仕組みを実現した。 歩行運動を重視する高齢者リハビリ施設を研究協力機関に迎え、研究協力者の柔道整復師が講師役となり、5回に亘る歩行と姿勢の運動教室を実践し、参加者延べ約30名の身体及び歩行の状態のデータを各回の介入前に計測するとともに、運動実践時のデータを収録した。 前年度開発したデータ可視化分析システムを活用して、現場ケアに関わる多職種が集うカンファレンスの場で、収録データを多面的に解析し、運動教室の参加者向けに自分自身の歩行状態が教室への参加を通して変容した具体的ポイントを提示できる振り返りコンテンツを作成し、運動継続への意欲を高めるフィードバックを行った。さらに、歩行と姿勢に関する知識構造設計の議論を深め、他施設等に横展開できるパッケージ化された介入運動プログラムの開発を進展させるための知見を多数獲得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに開発したマルチモーダル心身環境センシング基盤、並びにデータ可視化分析システムを活用し、生活支援ケアの根幹にかかわる介入運動プログラムの設計開発評価を高齢者リハビリ現場で実践し、スタッフのケアスキル向上に役立つ介入フィードバック方法を具現化できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した介入運動プログラムを多面的に横展開し、ケアスタッフはもとより本人家族を含めた多様なステークホルダーが学びを深められる学習環境の構築と実践評価を進める。
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