2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of the basis for plant mitochondrial genome breeding
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20H05680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 伸浩 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00202185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有村 慎一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00396938)
高梨 秀樹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60707149)
風間 智彦 九州大学, 農学研究院, 准教授 (30431464)
寺地 徹 京都産業大学, 生命科学部, 教授 (90202192)
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Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / オルガネラゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍のため、基盤Sの採択発表が遅れ、研究のスタート時期が遅れるとともに、施設閉鎖や職員の在宅勤務推奨などを受けて当初予定をかなり変更しながら実施した。イネとナタネで成功していた植物ミトコンドリアのゲノム編集技術mitoTALEN(標的遺伝子破壊)法について、モデル植物のシロイヌナズナでも実施に成功し、初めて細胞質雄性不稔原因遺伝子以外の遺伝子破壊に成功した成果について、2020年末にPlant Journal誌に掲載された。研究分担者、風間氏と寺地氏と、新たにイネ、ナス、コムギを対象に、それぞれで異なる細胞質雄性不稔原因遺伝子候補を相談し、これらをゲノム編集するためのベクターを設計し、構築を開始した。また、その過程で、米国のグループから画期的な論文(哺乳類のミトコンドリアゲノムを標的とした新たなゲノム編集方法/一塩基置換法)が公開されたため、この方法を植物のミトコンドリアと葉緑体ゲノムに適用可能かどうかを検証する準備を急遽開始した。具体的にはオルガネラゲノム上の一文字改変標的遺伝子の選定、各標的にあわせたゲノム編集用プラスミドの構築、形質転換などを行なった。初年度備品として共焦点レーザー顕微鏡を選定し共同購入を行い、細胞内ミトコンドリアほか内部構造のライブイメージングの可視化の実行可能性を確認し、オペレーティング技術習得と研修などを行なった。植物ミトコンドリア標的遺伝子破壊技術についてzoomで国内外研究者と共同研究を検討し、一部ベクター構築などの作業を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため、基盤Sの採択発表が遅れ、研究のスタート時期が遅れるとともに、施設閉鎖や職員の在宅勤務推奨などを受けて当初予定をかなり変更しながら実施した。しかしながら設備設定、ゲノム編集植物の研究計画、標的遺伝子用のベクター構築は順調に進んだ。また、当基盤研究の中心とする技術がシロイヌナズナで使用できるという鍵となる成果の一つが既に論文掲載された。基盤研究メンバー内外、国内外合わせ、mitoTALEN法の共同研究について議論と協力を順調に遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
植物ミトコンドリアゲノムの標的遺伝子破壊とゲノム変化については実績もあり、各植物種への進展も順調に進められると考えている。上記した通り、哺乳類のミトコンドリア研究において、画期的な一文字塩基編集技術が発表されたため、これが植物の葉緑体やミトコンドリアゲノムにも適用可能か否かを速やかに検討する。本来には無かったことだが、これを検証するのに世界で一番施工ができやすい研究室の一つであり、これが技術として確立できることで引き続き植物オルガネラゲノム改変/育種の領域で世界トップレベルとして研究貢献ができるため、この新技術確立にも注力する。
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Research Products
(7 results)