2021 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of the basis for plant mitochondrial genome breeding
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20H05680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 伸浩 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00202185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有村 慎一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00396938)
風間 智彦 九州大学, 農学研究院, 准教授 (30431464)
高梨 秀樹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60707149)
寺地 徹 京都産業大学, 生命科学部, 教授 (90202192)
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Project Period (FY) |
2020-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
mitoTALEN法の論文公開とその後複数の論文発表の反響から、植物ミトコンドリアゲノムの改変について国内外 問わず多数の共同研究依頼が舞い込み(2022年3月時点, 約45プロジェクト)、これら共同研究のためのミトコンドリアゲノ ム改変ベクターを作製・発送し、またその後解析協力を行うことで、当初予定よりも大規模&重要性の高い遺伝子&重 要作物多数種(イネ、シロイヌナズナに加え、コムギ、トマト、ジャガイモ、タバコ、スギ、etc.)で研究を発展しうるメリットから、現在はこちらに注力すしている。近年発展著しい技術であるゲノム編集分野であるため、新しく哺乳類のミトコンドリアDNAの塩基置換技術が発表された。そこで、急遽植物用のミトコンドリアと(よりインパクトが大きい) 葉緑体TALECDベクターの設計・開発を行った。完成した葉緑体TALECDをシロイヌナズナに用いてみたところ細胞内に多数コピー存在する葉緑体ゲノムの中の狙った一文字が100%置換され、かつ安定して遺伝するという非常に大きな成功を収めることができた(Nature Plants誌で発表)。本成果は国内外のマスコミからも注目され(新聞報道6件, Webニュース掲載10件等)、これを担当した大学院生は東京大学総長賞にも選出された。植物ミトコンドリアは機能が制限された際には、ミトコンドリアゲノム遺伝 子の転写量を上げる過程で、ゲノムDNAのコピー数も増加させることが明らかになるという、意外だが合理的な現象を見 出した。RT102型CMSイネの不稔性の成立には従来CMSの原因として同定報告されているorf352だけではなく、その他の遺伝子も関与している可能性があることが明らかになった。これまでミトコンドリアゲノム上の一遺伝子のみでCMSが引き起こされていると考えられてきたが、複数因子が関与する可能性を示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前述したように、当初計画のmitoTALEN技術の利用は共同研究依頼による拡大があり、また、想定外の新たなゲノム編集技術を開発することができ、大きく取り上げていただくことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きオルガネラゲノム編集技術を中心として分担者らとCMS研究を行うとともに、植物オルガネラゲノムの先陣を維持できるように工夫発展を行う。
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