2021 Fiscal Year Annual Research Report
人称と共同体――19・20世紀フランス哲学における共同体論
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20J00020
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
伊藤 潤一郎 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | エマニュエル・ムーニエ / 人格主義 / ジャン=リュック・ナンシー / ジャック・マリタン / 共同体 / 人称 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、20世紀フランスのキリスト教哲学における共同体論を中心に研究を進めた。本研究は、19‐20世紀のフランス哲学における共同体論の思想史を〈人称/非人称〉という対立軸をもとに描き出すことを目的としているが、今年度の研究対象であるキリスト教哲学は主に人称を重視した共同体論を展開したことで知られている。この大きな枠組みを踏まえ、具体的にはエマニュエル・ムーニエを対象として、その共同体論の構造を人称という観点から解明するとともに、ムーニエが共同体論を練り上げる際の思想的コンテクストを明確にすることを目指した。近年フランスでは、ムーニエの遺稿集や書簡集の刊行が進み、2020年からは『エマニュエル・ムーニエ全集』の出版が始まるなど、最新資料が続々と公にされ、資料の整備が進んでいる。今年度はこうした最新の文献を踏まえつつ、ムーニエの共同体論において「人格」という概念が果たす役割を明確にするとともに、神という人格に関してはムーニエが戦略的にあいまいな態度をとり、みずからの思想を宗教色を脱した人間主義としても読まれる可能性へと開いていることを、ジャック・マリタンとの論争から明らかにした。さらに、本研究の着地点であるジャン=リュック・ナンシーの共同体論への影響関係についてもあらためて精査した。以上の成果は、『ジャン=リュック・ナンシーと不定の二人称』(人文書院)の第1章「人格主義の影――一九六〇年代のナンシーの思考について(一)」と第5章「意味と投壜通信――不定の二人称への言表行為」にまとめられている。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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