2020 Fiscal Year Annual Research Report
保健師によるアプリを活用した妊婦へのメンタルヘルス支援:擬似的ランダム化比較試験
Project/Area Number |
20J00381
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
土井 理美 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2020-04-24 – 2023-03-31
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Keywords | 社会実装 / 健診データ / リアルデータ / メンタルヘルス / 妊産婦 |
Outline of Annual Research Achievements |
保健師支援アプリ「そだつWA」を東京都足立区に導入するという社会実装の効果検証を行うために、2020年度では、妊産婦支援係の支援対象である高リスク妊婦において、保健師支援アプリ導入前後で、乳幼児健診時にメンタルヘルスの問題を有する母親(「子育てが楽しいと感じない」「育児の負担とイライラ」「赤ちゃんの口塞ぎや揺さぶり(虐待傾向)」の有無)の割合に違いがあるかを検証することを目的とした。2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で健診データの受け取りが遅延したものの、2021年2月に2016年度に支援対象であった母親の3歳児健診時までのデータ、2017年度に支援対象であった母親の1歳6ヶ月児健診時までのデータ、2018年度に支援対象であった母親の3-4ヶ月乳幼児健診時のデータを受け取ることができた。このうち、妊産婦支援係の支援対象である高リスク妊婦について現在データクリーニングを行なっている。 また、これまでに得られているデータから、2018年7月から2019年6月における、足立区の3つの保健センターにおける「そだつWA」の活用状況を検証した。その結果、保健師支援アプリの活用頻度は保健センターによって差があること、これまで実施されていなかったメンタルヘルス支援も「そだつWA」にあるコンテンツを部分的に用いて実施されていたことが明らかとなった。2018年7月から2019年6月までの3-4か月児健診で把握した乳児虐待傾向の割合について、「そだつWA」を積極的に利用していた2つの保健センター(積極的介入群)、利用に消極的だった1つの保健センター(消極的介入群)、通常支援を実施した2つの保健センター(対照群)ごとの違いを検討した(N=4,866)。その結果、対照群と比較して積極的介入群において、乳児虐待を半減させる可能性が示唆された(OR=0.51, p=0.093)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、健診データの受け取りが遅延した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に実施予定である解析と同時並行で、2020年度に実施する予定であった解析を行う。一方で、新型コロナウイルスの感染状況によっては、2021年度以降の自治体からのデータ受け取りが遅延する可能性もあるがある。自治体の状況などを踏まえ担当者と話し合いを行いながら、負担のない形でのデータ受け取りが可能となるよう進めていく。
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[Presentation] Preventing postpartum depressive symptoms using an educational video on infant crying2020
Author(s)
Doi, S., Fujiwara, T., Isumi, A., Nakai, A., Ogita, K., Mitsuda, T.
Organizer
The 16th World Congress on Public Health
Int'l Joint Research