• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

人新世とゲノム編集の時代におけるブクチンの自由概念とヒエラルキー批判の再検討

Research Project

Project/Area Number 20K00036
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

熊坂 元大  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (60713518)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords環境倫理学 / Murray Bookchin / 徳倫理学
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、科学技術による遺伝子や地球システムへの計画的介入を可能とする現在の科学・技術の水準をふまえて、マレイ・ブクチンの思想を再検討するものである。かつては、人為的な制御が困難と思われていた遺伝子や気候システムへの計画的な介入が可能となったことで私たちは、人間であれ自然であれ、対象を畏敬すべき他者としてではなく操作し利用すべきリソースとしてみなすことがより容易になった。こうした状況において、自然との関係や自然における人間の位置づけというものは、人間や自然が持つ性質そのものよりも、そうした性質を私たちがどのように評価するかということに左右される。そうした評価に関わる私たちの気質や性格特性についての理解を深めるべく、環境徳倫理学の文献の翻訳に取り組んだ。当初の研究計画には含まれていなかったが、この翻訳を終えたことは、本研究をすすめるうえで有意義な作業であった。
ブクチンが礎を築いたソーシャル・エコロジーについては、当初の研究計画ではソーシャル・エコロジー・インスティチュートを訪問する予定だったが、これについては過去二年のコロナの影響で訪問を果たせずじまいだったことをふまえ、本研究期間内に訪問できないことも視野に入れて研究計画を修正した。
ソーシャル・エコロジストの思想は、すでにブクチンのオリジナルの形而上学的思想からはやや距離をとり、アナキズム的な政治思想にシフトしているように思われる。これは本計画が目指すブクチン思想の再解釈とは、むしろ対照的であると判断した。本研究は研究機関の延長を申請する予定であるが、おもにブクチン自身の文献によりそう形で進めることになる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

国内外の新型コロナの感染拡大がおさまらず、予定していた調査活動ができていない。また本研究と関係の深い学術書の翻訳に多くの時間を割いたことも、理由の一つである。

Strategy for Future Research Activity

昨年度まで時間を割いていた翻訳も終わり、今後は本来の研究計画の進捗状況が大幅に改善されると考えている。研究計画を国外への出張がなくとも成立するように修正しており、また研究機関の延長を申請する予定である。

Causes of Carryover

コロナによる移動制限と、本研究の内容に関連する文献の翻訳に時間を割いたため。
次年度使用額については、研究期間の延長申請を行い、物品および旅費にあてる。

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi