2022 Fiscal Year Research-status Report
インド・ヴリンダーヴァンのチャイタニヤ派における理論と実践の相互補完的研究
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20K00061
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
橋本 泰元 東洋大学, 文学部, 教授 (40256764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 一郎 東洋大学, 文学部, 教授 (20261258)
澤田 彰宏 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (00645939)
三澤 祐嗣 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (00755259)
相川 愛美 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (60813582)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バクティ / ヴリンダーヴァン / チャイタニヤ |
Outline of Annual Research Achievements |
22年度は、共通の基礎研究として、20年度から引き続き、ラッルー・ラール作『プレームサーガル』の翻訳研究を行った。『バーガヴァタ・プラーナ』10巻「クリシュナ神話」をヒンディー語に翻案したこの書は、ストーリーは細部まで原本に忠実であるが、時折、原本と異なり過度なクリシュナ賛美や登場人物の神格化が見られることや少し冗長な改変がなされていることが明らかになってきた。 研究分担において、理論分野では、チャイタニヤがクリシュナ神に対して「示現」を希求し、クリシュナ神との自己の「別離」の情感を持ち続ける神秘的なバクティ思想を、チャイタニヤはマーアヴェーンドラ・プリーから直接受け継ぎ、マーアヴェーンドラ・プリーはその資源を南インドのクリシュナ・バクティを謳いあげるサンスクリット語詩文学から形式的にも内容的にも得ていることを明らかにした。これによって、北インドのベンガル地方で発生したチャイタニヤ派のバクティ思想と南インドで盛んになったバクティ思想の動態の一端が明らかになったと言えよう。また、『バーガヴァタ・プラーナ』における宇宙生成論の研究について進め、ヒンドゥー教ヴィシュヌ派の一派であるパーンチャラートラ派に特徴的なヴューハ説の影響が見られ、さらにここではインド六派哲学の一つサーンキヤ学派の思想が取り入れられた宇宙生成論が説かれているが、最高神ヴィシュヌを頂点とする一元論に合わせて改変されており、同様の傾向がパーンチャラートラ派の説でも見られることが判明してきた。 一方、実践分野では、2023年2月にウッタル・プラデーシュ州ヴリンダーヴァンに所在するチャイタニヤ派の主要寺院のひとつラーダーラマン寺院の組織運営と聖職者の活動について約2週間の現地研究を行い、聖職者2名と信徒数名への聞き取り調査、法話の参与観察と記録の実施、資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
22年度は、研究対象地であるインド・ヴリンダーヴァンで調査および当該地の聖職者を交えて研究集会を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染の影響が残り、実施することができなかった。一方、22年度の後半では渡航制限が緩和され現地での調査を行うことができ、研究を進めることができた。また、21年度に引き続き、研究会や報告会は、オンラインで行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度は、22年度に行えなかった合同実地調査を実施し、併せて調査地で神学者との意見交換・研究会合を開催する予定である。また、研究会・報告会はオンラインも含めて引き続き実施していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響による渡航制限等で実施できなかった研究対象地での調査を23年度に行う。また、その影響で遅れた成果報告のための翻訳・校正などを行う。
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Research Products
(1 results)