2023 Fiscal Year Annual Research Report
インド・ヴリンダーヴァンのチャイタニヤ派における理論と実践の相互補完的研究
Project/Area Number |
20K00061
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
橋本 泰元 東洋大学, 文学部, 教授 (40256764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 一郎 東洋大学, 文学部, 教授 (20261258)
澤田 彰宏 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (00645939)
三澤 祐嗣 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (00755259)
相川 愛美 東洋大学, 東洋学研究所, 客員研究員 (60813582)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | バクティ / クリシュナ / チャイタニヤ / ヴリンダーヴァン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インドのクリシュナ神信仰の中心的宗教都市ヴリンダーヴァンのチャイタニヤ派をモデルケースとして、この派の教義の歴史的発展の研究と同時に、その教義がどのように実践されているかを実地調査することを通じて、理論と実践との相互補完的な研究を提示するものである。また、代表者・橋本が、1986年に行った同地での研究の結果からどのように現代まで変容しているかをも提示していく。 共通の基礎研究として、ラッルー・ラール作『プレームサーガル』の翻訳研究を行った。『バーガヴァタ・プラーナ』10巻「クリシュナ神話」をヒンディー語に翻案したこの書は、ストーリーは細部まで原本に忠実であるが、時折、原本と異なり過度なクリシュナ賛美や登場人物の神格化が見られることや少し冗長な改変がなされていることが、クリシュナ信仰における甘美な愛情を表現するラーサの踊りにおいても明らかになった。 2023年度は、これまで停滞していた実践研究を中心に行い、2023年の9月3日から9月14日に実地調査が可能となった。調査には、橋本泰元、澤田彰宏、三澤祐嗣、研究協力者の三澤博枝が参加した。調査では、研究対象であるラーダーラマン寺院を始め、クリシュナ信仰関連の聖地を視察し、伝統的な寺院のみならず新たな宗教施設や参拝客などの増加といった傾向が確認できた。さらに、9月7日、ラーダーラマン寺院において、クリシュナ生誕祭を参与・観察した。多くの人々による熱狂的な崇拝が行われ、開祖チャイタニヤが歌い踊りながら参拝していたというその伝承を引き継ぐ人々の様子が確認できた。 また、現在ラーダーラマン寺院を管理するブラーフマン(バラモン)の聖職者の一家族が住むジャイスィング・ゲーラーにて、チャイタニヤ派僧のアビナヴ師と、同じくチャイタニヤ派僧であり、本研究に協力いただいているシュリーヴァッツ・ゴースワミー師と対談を行った。
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Research Products
(3 results)