2021 Fiscal Year Research-status Report
The Enlightenment and the Problem of Religious Orthodoxy in the Seventeenth and Eighteenth-Century Netherlands
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20K00112
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
加藤 喜之 立教大学, 文学部, 准教授 (00708761)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 思想史 / 哲学 / 宗教学 / キリスト教 / オランダ / スピノザ / デカルト / 十七世紀 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画書にもあるように、2021年度は、ユトレヒト大学の哲学教授ファン・マンスフェルト(Regnerus van Mansvelt, 1639-1671)によるスピノザの『神学・政治論』(1670年)の最初期の批判書を分析した。なかでも当該年度は、自然法則と奇跡について論じた箇所に注目し、急進派との違いを際立たせている点を明らかにした。それにともない、ファン・マンスフェルトの批判者である重要な保守派神学者マレシウス(Samuel Maresius, 1599-1673)のテクストを分析し、デカルト主義によって危機に晒された正統派の立場を明らかにする必要が生まれたので、本主題に関して精力的に研究を行なっている明治大学の坂本邦暢博士とともに関連するテクストを分析した。本来であればこうした成果を2018年度のロッテルダム大学滞在中に交流のあったイギリスの研究者の研究会で発表する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き海外への渡航がかなり困難な状況にあり、国際的な場での発表は諦めざるをえなかった。とはいえ、そうした状況でも論文執筆や国内学会での発表に専念することができ、いくつかの学会や雑誌に研究成果を発表することができた。国内学会や研究会では、所属研究機関の学会や日本宗教学会で研究発表を行い、さらには関連する英語論文の翻訳、また講演を加筆修正し発表できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き海外への渡航がかなり困難な状況にあったため、国際的な研究機関での研究発表やそれに付随した海外の研究者との連携はあまり進まなかった。また、海外の文書館に所蔵されている文献の収集も可能ではなかったため、いくつかの制約のなかで研究を遂行しなければならなかったことが、現時点で研究の進捗がやや遅れている主な理由である。とはいえ、テクスト分析や学会での研究発表などは精力的に行えており、その点において本研究は順調に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、新型コロナウイルス感染症の状況と日本国政府や東京都を含めた各国の行政機関の方針に大きく左右されるといわざるをえない。というのも、本課題で予定されている国際機関での研究発表やそれに伴う海外の研究者との連携、また文書館での資料収集の多くは、一定期間、海外に渡航し、研究機関に滞在する必要があるからである。現時点の見通しでは、2022年度中は、2021年度に比べてこうした海外への渡航は、困難を伴うものの少しずつ可能になってきているようにもみえ、これまでの研究計画で予定していた訪問や発表を進めていきたい。ただし、時間的な制約もあり、全ての予定を実現させるには難しいので、とりあえずは初年度に計画していた内容を実施することを予定している。こうした状況を鑑みると、海外渡航を必要とする本課題の研究の部分においては、次年度以降に先延ばしにする必要もあり、研究計画の見直しも迫られている。国内学会に関していえば、オンラインや対面でも可能になり始めているので、積極的に推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由だが、2021年度も前年度と同様に、新型コロナウイルス感染症の影響のため海外への渡航が叶わず、国際機関での研究発表やそれに付随した海外の研究者との連携は進まなかったことが大きい。ただし、2022年度に関していえば、感染症の状況次第ではあるが、これまで困難であった海外の研究者との連携や研究会での発表、さらには調査などを積極的に進めることが可能になりそうにもみえる。実質的な使用計画としては、書籍や外国語の必要文献を購入することに加え、研究計画の前半に計画していた海外の研究者との連携を進めていきたい。
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Research Products
(5 results)