2021 Fiscal Year Research-status Report
中国語の談話標識における意味・機能変遷プロセスの解明
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20K00614
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
HUANG Wanting 上智大学, 言語教育研究センター, 准教授 (40613154)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自然会話 / データベース構築 / 中国語 / 什麼的 / 例示形式 / 談話標識 / オンライン収録 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、対面での会話収集を取りやめ、オンライン会議ツール(Zoom)で収録することに変更した。研究の遂行には会話参加者が雑談するシーンを収録する必要があるため、収録開始前に、参加者に対して、個人情報の取り扱いに関するガイドライン(収録で得た個人情報を調査以外に用いない、データの使用および保管の安全性の確保など)を説明した上で、同意書に署名を得て収録を開始した。2021年5月から収録を開始し、同年年度末までに約81組のペアから、合計約4860分程度の収録データを蓄積した。収録したデータの一部から書き起こし作業を開始し、先行して完成していた書き起こしデータから順次チェック作業を進めてもらい、現在も進行中である。 会話データ収録と並行して、語用論や意味論や認知言語学などの立場から分析対象となる例示を表す形式に関する文献を引き続き収集してまとめ、最新の研究動向について理解を深めた。2021年12月にオンラインで行われた日本語用論学会で中国語の例示形式「什麼的」に関する発表を行い、来場者とも議論を行ったのち、学会のプロシーディングスに分析結果をまとめた。そして、新型コロナウィルスの影響でオンライン実施となった各関連国内外の学会やシンポジウムに積極的に参加し、最新の研究成果についての知見を得たほか、関連分野の研究者とも交流を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オンラインによる会話収録を行うことで、収録の場所や時間の制限がなくなり、関連分野の研究者による会話参加者の紹介や収録済みの会話参加者による新たな参加者の紹介等があったため、当初予定していた会話数をはるかに超えた数を収集することができた。そのため、当初の予定通り、新しい収録データの収集は行わず、収集済みのデータからより深い分析を行うように研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の活動として、まず、昨年度収録済みのデータについては、書き起こし作業とチェック作業を引き続き行う。書き起こしなどの作業が完了しデータが完成した後、既存の会話データベースに追加する予定である。また、既存のデータベースに基づき、中国語母語話者の相互行為から見られる新たな談話標識の使用を検討し、研究を引き続き進める。そして、オンラインによる学会やシンポジウム参加の利便性を生かし、国内外の関連研究者と積極的に交流を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大にともない、国内の学会がオンライン開催となり、当初予定していた学会発表のための出張旅費を使用せず、また、当初計画していた会話データの作業者の一部が個人的事情により辞退したため、書き起こし作業にかかる費用を消化しきらなかったため、次年度使用額が生じた。2022年度に入り、新たな作業者の確保ができたため、残った予算はデータの書き起こし作業などに使用する予定である。さらに、研究活動に必要な書籍等の支出も引き続き予定している。
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Research Products
(3 results)