2020 Fiscal Year Research-status Report
認知特性により学習に困難を示す日本語学習者への支援体制構築に向けた基礎的研究
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20K00703
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
武田 知子 国際基督教大学, 教養学部, レクチャラー (80409804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 明香 国際基督教大学, グローバル言語教育研究センター, 特任助教 (40833116)
澁川 晶 国際基督教大学, 教養学部, インストラクター (60322327)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 日本語学習上の躓き / 認知特性 / 大学等高等教育機関 / 日本語学習者 / 学習支援 / 日本語指導 / オンラインフォーム / 日本語教育現場の現場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまで行われてこなかった大学等高等教育機関での日本語学習における学習者の躓きとその指導の事例を収集し、日本語教育における特別支援体制の構築の一助とすることである。その目的に向け、以下の4つの段階に分け研究を進めている。 1)日本語教員に対し「学習者の学習上の躓きとその指導」についてオンラインフォームによる調査を行い、日本語教育現場での現状を分析する。次に、2)質問紙調査対象者から協力を得て、事例の聞き取り調査を行う。その上で、3)第二言語習得における個人差研究の知見、学校教育での日本語母語話者の日本語習得の知見を領域横断的に組み込み、学習困難の要因を検討する。その結果を踏まえ、4)日本語教育現場での具体的な指導案、支援案について提案する。 2020年度は、1)の「学習者の学習上の躓きとその指導」について調査を実施するため、オンラインフォームの作成を行った。具体的には、2020年4月から8月にかけ文献調査を行い、質問項目の洗い出しを行った。また、平成24年度に行われた文部科学省による学習に難しさを抱える児童生徒に関する調査結果を参考に、調査依頼を40名以上の留学生がいる大学等高等教育機関とすることを決定した。9月から12月にかけオンラインフォームを作成し、12月に4名の日本語教員の協力を得てパイロット調査を行った。その結果を踏まえ2021年1月から3月にかけ、オンラインフォームの修正を行い、本調査のフォームを整えた。 調査フォームの作成と並行し、調査依頼先を検討するため、2020年12月に独立行政法人日本学生支援機構へ40名以上留学生が在籍する全国の大学等高等教育機関リストの提供を依頼した。提供リストにある316の大学を調査依頼機関とし、2021年1月から3月にかけ各大学のウェブページを参照し依頼窓口リストの作成、及び依頼文の作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染症へのオンライン授業対応で、当初予定していた2020年度中の調査依頼開始が遅れ、2021年度にずれ込んでしまった。ただし、2021年5月現在、オンラインで依頼可能な大学にはすでに依頼済みであり、郵送で調査を依頼する大学へも5月末までに発送を完了できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
オンラインフォームへの回答締め切りは2021年度6月30日である。それまでは、引き続き、大学等高等教育機関での日本語教育に携わる教員に調査協力を求め、データ収集を行う。 回答締め切り後、オンラインフォームへの回答を整理し、日本語学習者の学習上の躓き、日本語教員の支援方法の分析をし、結果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響で、学会等全てオンラインでの開催になったため、旅費の使用がなかった。そのため使用額が予定を下回った。2021年度も引き続き感染症の影響で見通しが不透明なため、この状況が続けば引き続き予算額を下回る可能性がある。 今後予定されている調査分析や会議などをオンラインで行う可能性も検討しており、その場合、オンラインツールへの支払いに研究費予算を使用することになるが、現状では未定である。状況を見て検討していく予定である。
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