2021 Fiscal Year Research-status Report
異文化間の話し合いにおける参加者の変容プロセスの解明―対話能力の育成を目指して
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20K00715
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
森本 郁代 関西学院大学, 法学部, 教授 (40434881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 洋 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40293245)
柳田 直美 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 准教授 (60635291)
嶋津 百代 関西大学, 外国語学部, 教授 (90756868)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 対話能力 / 異文化間コミュニケーション / 話し合い |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、異なる文化的背景を持つ参加者による話し合いにおいて、相互理解と学習の深化を促す対話のプロセスを明らかにし、文化を超えた対話能力の育成のためのプログラムの開発に必要な実証的な知見を得ることである。 2020年度に引き続き2021年度も新型コロナウイルス感染症の状況が改善しなかったため、当初の予定を変更し、今後のデータ収録および分析方針を検討するための材料を得るために、留学生3名と日本人学生1名によるオンラインでの話し合いデータの収録を2組それぞれ3回行った。1組には、同じテーマについて3回話し合って結論をまとめて発表することを課し、もう1組は、毎回違うテーマについて議論し発表してもらった。さらに、各参加者に対して、毎回の話し合い後にアンケートを行うとともに、3回の話し合い終了後に個別にインタビューを行った。 その結果、参加者は多様な国籍・文化的背景を持つにもかかわらず「日本人学生」と「留学生」というカテゴリー化に対する志向が多く観察されたグループと、そうでないグループとに分かれた。何がこうした違いを生んだのかについては今後検討の必要がある。また、参加者の多くが、お互いの価値観や考え方の違いよりも「話し合いの進め方」に注意を向ける傾向があることが明らかになった。このことには、参加者全員が、本科研のメンバーによる話し合いトレーニングを授業で受講していることが影響している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の感染状況が見通せない中、当初対面で実施を予定していた話し合いデータの収録をオンラインで行い、かつ予定より少ない2組しか行うことができなかった。そのため、本格的なデータ収録は来年度に回し、この2組のデータを、来年度のデータ収集と分析の方針を検討するための予備的なものに位置づけざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、今年度の予備的データの分析をもとに、新たなデータに収集に着手する。と同時に、研究代表者のゼミでの1年間の話し合い活動を通して成長が見られた学生に対してフォーカス・グループ・インタビューを実施し、どのような経験、きっかけが成長を促したのか、その要因を探る。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため予定していた対面での話し合いのデータ収録ができず、オンラインでの2組の話し合いの実施にとどまったため。2022年度は、対面での話し合いデータの予備収録と本収録を行う。
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Research Products
(21 results)