2022 Fiscal Year Annual Research Report
Japanese scientists' acquisition of metadiscourse markers used in scientific research articles
Project/Area Number |
20K00757
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
小林 薫 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (50804019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 明子 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (50266904)
内藤 麻緒 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (30410062)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタディスコース / 実験論文 / コーパス / 科学英語 / ESP / ライティング指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的は、生命科学分野の実験論文において日本人研究者が過剰・過少使用するメタディスコースマーカー(MDM)を同定し、MDMの学習指導方法を提案することである。最終年度は、これまでに作成した①目標言語コーパス(実験論文480編)、②研究者コーパス(日本人研究者が執筆した論文79編とその下書き79編)、③学生コーパス(実験レポート118編)に加え、④新学生コーパス(実験レポート152編、③とは異なる指示を与えた)、当該分野におけるMDMの使用傾向を大局的に見るための⑤PLOS実験論文コーパス(2,018編:日本人研究者による論文1020編、非日本人研究者による論文998編)、学習者の入学前の知識を測るための⑥高校英語教科書コーパス(35の教科書から計464ファイル)を作成した。
上記のコーパスを使用して3つの研究成果を発表した。第1に、①をベースラインとし、③④において、学生が実験レポートの中で実験手順を記述する際に過剰・過少使用するMDMを同定した後、MDMを効果的に使用しているサンプルレポートの有無により、MDMの使用率が有意に変わることを明らかにし、MDMの習得は、能動的なマッピングを通して行われる可能性を示した。第2に、⑤において、日本人研究者と非日本人研究者のMDMの使用を比較した結果、日本人研究者は、使用するMDMが限定的であること、1人称MDMを過小使用していること、強調MDMを過剰使用していることを明らかにした。第3に、大学生のMDMに関する知識を明らかにする基礎資料として⑥を用い、高校英語教科書に出現する人称代名詞(1人称を含む)を分析した。科学論文に使用されるMDM(特に人称代名詞)の使用と、高校英語教科書に用いられているものとは、使用法も頻度も異なることを確認し、自然科学を学ぶ学生に対して科学英語で使用するMDMを明示的に示す根拠が得られた。
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Research Products
(5 results)