2021 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Reconstruction of Postwar Okinawan Studies:Pursuing International Relations and Intellectual Linkage around Nakahara Zenchu Papers.
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20K00985
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
大里 知子 法政大学, 沖縄文化研究所, 准教授 (20794506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中俣 均 法政大学, 文学部, 教授 (60135895)
戸邉 秀明 東京経済大学, 全学共通教育センター, 教授 (90366998)
古波藏 契 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (90834606)
萩原 真美 聖徳大学, 教職研究科, 准教授 (90849316)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 沖縄学 / 仲原善忠 / 沖縄近現代史 / 沖縄学アーカイブ / 沖縄教育史 / 沖縄文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、仲原善忠が所蔵していた一次史料を中核に、戦後沖縄学に関する史料体系を模索し、それらの分析によりこれまでの沖縄学に関する研究蓄積に新たな知見を加えることを目的としている。 今年度は、法政大学沖縄文化研究所に寄託されている仲原善忠資料のうち、主にアルバム写真について、デジタル化及び個別資料に関する詳細データの入力を行い、目録データベースを作成した。これにより、戦前の沖縄出身教育者のキャリア形成ケースに関する資料を整備することができた。また、研究会を開き当該研究課題に関する各自の研究報告を行った。(2月10日) 研究成果としては、『つながる沖縄近現代史』ボーダーインク(2021年11月刊行)に共同執筆者として参加し、沖縄近現代史、沖縄教育史おいて新たな切り口からの歴史像を提示した。具体的には以下の通りである。第2部:「日本人」への扉 第5章:沖縄の人々にとって「日本人」になるってどういうこと(萩原真美)、コラム:人類館事件(大里知子)第3部:「沖縄戦」に潜むもうひとつの歴史 コラム:沖縄戦における御真影補奉護と志喜屋孝信(萩原真美)第4部:アメリカ世と日本復帰にひきさかれて 第11章:何が人々を「島ぐるみ闘争」へと駆り立てたのか 第12章:復帰運動を「総括」する(古波蔵契)第5部:沖縄社会を編みなおす 第13章:ウチナーンチュの世界帝国 第15章:くりかえす沖縄ブームと基地問題(古波蔵契)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
仲原善忠資料に関するアーカイブの構築、また、沖縄近現代史及び沖縄教育史における新たな歴史像の提示という面においては、本研究課題について一定の進展が果たせた。しかし、新型コロナウィルスの影響により、年間を通じてハワイや沖縄での調査を行うことがかなわなかったため、特に、戦後沖縄学の国際的文脈の追求という課題に関しては研究を進めることが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は戦後沖縄の知的連関と国際的文脈について追求することを課題とし、沖縄において県立公文書館、県教育庁文化財課、琉球大学などで史料調査を実施し、法政大学沖縄文化研究所所蔵の仲原善忠資料との照合を行うことを一つの柱としている。また、ハワイ大学での調査を行ない、沖縄学を国際的な文脈で検討することも計画していた。しかし、新型コロナ感染拡大の影響で、現地調査については制限を余儀なくされている。前者については、今後、感染状況を見極めながら推進していく予定だが、後者のハワイ大学での調査については、現状では遂行が難しい。この点については、これに代わる方法を検討する必要があると考える。具体的には、沖縄県立公文書館が所蔵するジョージ・H・カー(George H. Kerr)文書の調査、特に沖縄研究に関わる史料シリーズ「日本と沖縄に関する主な出版物と関連プロジェクト 1936年~1989年」の調査と検討を集中して実施する。また、この調査の補強として、同館の「湧川清栄文書」の活用も検討する。
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Causes of Carryover |
本研究では、沖縄やハワイでの史料調査等を予定していたが、新型コロナウィルス感染が終息せず、その影響により現地調査を行なうことが出来なかった。そのため、旅費の支出に変更が生じた。次年度は、感染状況をみながら、沖縄での調査については可能な限り実施する予定である。
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Research Products
(2 results)