2023 Fiscal Year Research-status Report
Archaeological study on the origin of agriculture in the Ryukyu archipelago
Project/Area Number |
20K01077
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
新里 亮人 熊本大学, 埋蔵文化財調査センター, 助教 (20849319)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 琉球列島 / 農耕伝播 / 土器圧痕調査 / 舶来食器類 / 在地土器 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、沖縄県立埋蔵文化財センターにて昨年度調査を行なった沖縄本島熱田貝塚、同島平敷屋トゥバル遺跡、石垣島新里村遺跡の出土土器から植物圧痕を残す土器を再度ピックアップし、シリコンゴムによる圧痕レプリカを作成した。また、鹿児島県喜界町、知名町、和泊町および沖縄本島名護市、豊見城市、与那原町にて遺跡出土土器の圧痕調査を実施した。 これら調査の結果、沖縄本島熱田貝塚にてアワ、同島久志貝塚にてイネ、同島平良原遺跡にてムギ類、石垣島新里村遺跡にてアワ、コムギ、喜界島大ウフ遺跡にてイネ、ムギ類、子ハネ遺跡にてムギ類と推定される土器の圧痕資料を確認し、作成した圧痕レプリカは持ち帰って、学内に保管している。 また、喜界島提り遺跡にて確認された初期貿易陶磁器について実測を行ない、研究協力者と共に産地および出土事例の検討を行なった。 今年度における研究成果の一部については、徳之島町誌編纂委員会(編)2023『徳之島町史通史編Ⅰ 先史・古代・中世・近世』南方新社にて公表し、下記講演会にて口頭発表を行なった。新里亮人 「グスク時代から琉球国の時代へ」『徳之島のいろは第2回ダイナミック!南の島々の歴史』(期日:2023年9月9日(土) 13:00~15:00、場所:伊仙町交流ひろばほーらい館
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
調査の対象とした各遺跡出土の土器から圧痕が検出され、安定的な分析資料が獲得できており、圧痕の鑑定が完了し次第、成果を論文にて公表できる状況にある。 ただし、8月に実施した沖縄本島における調査では台風6号の接近に伴い、調査参加者全員が旅程に大きな影響を受け、旅費の大きな加算が生じた。そのため、予定していた調査が計画通りに実施ができなかったため、調査の対象遺跡については次年度中に補完調査を実施せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度確認した穀類圧痕を留めた土器については、論文公表に向けた各種記録を行なう必要がある。そのため、再度資料の収蔵施設を訪問し、土器の実測、圧痕の顕微鏡写真撮影、土器の型式認定作業を実施する必要がある。また圧痕のレプリカについては、走査電子顕微鏡を用いた観察および同定作業を要する。
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Causes of Carryover |
台風6号の影響により、沖縄本島における調査旅費について大幅な増額が発生し、予定していた調査を次年度に繰り越すこととなった。そのため次年度の使用額が生じた。
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