Scientific utilization of plant specimens collected by Herbarium Hajacawa and verification of sampling activities by plant hunters

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K01127
• Research Institution: Okayama University of Science
• Principal Investigator: 東馬 哲雄 (大井哲雄) 岡山理科大学, 自然フィールドワークセンター, 准教授 (10376527)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 池田 博 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (30299177) ; 邑田 仁 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 客員共同研究員 (90134452)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 早川植物研究所 / 齋藤四郎治 / 早川佐七 / 植物標本

Outline of Annual Research Achievements

「早川植物研究所」の活動実体を把握するために、昨年度に引き続き、齋藤四郎治を中心とした採集専門員の採集行動暦について、東京大学植物標本室に配架されている植物標本を中心に調査を実施した。その過程で、宮城県白石市教育委員会および東北植物研究会会長のご協力があり、所在が不明であった齋藤四郎治の植物採集旅行報告等が、ご子孫宅に残されていることが明らかになった。原物を借用して、白石市教育委員会において、確認と全ページの画像スキャンを行ったが、植物採集旅行報告は、1923年から1930年までが８冊にまとめられており、その他、台湾採集植物目録（1930年）、見学旅行雑記（1932年）が含まれた。「報告」は単なる植物採集の報告ではなく、採集にあたっての準備、実施日の日記、採集品、経費など詳細に記載されているほか、採集許可書、各地の人物の名刺も添付されており、製本がなされたものである。これらの資料により、齋藤の採集行動暦が詳細に把握することが可能となった一方で、「早川植物研究所」に関する情報は限られており、報告書（計約5000ページ）のスキャン画像をもとに、現在、内容を順次精査している。「早川植物研究所」では、齋藤の他にも採集専門員がいたことが分かっているが、Y.Naritaとしか分からなかった人物が成田芳男であることが判明した。台湾採集植物目録に関しては、採集場所毎に種リストが作成されており、東京大学植物標本室において整理が完了していない齋藤四郎治が採取した台湾産植物標本の整理に重要な資料になる。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

コロナ禍の他、学外から依頼の業務に思いのほか時間を取られたことで、東京大学植物標本室への訪問回数・日数を大幅に控えたことや、屋久島産標本の確認・整理のペースが遅れている。そのため、研究期間を１年延長することとした。

Strategy for Future Research Activity

屋久島標本の確認・整理に時間を割いて、確認・整理のペースアップを図る予定である。また、台湾採集植物目録を踏まえて、齋藤四郎治が採取した台湾産植物標本の確認・整理も進めていく予定である。

Causes of Carryover

コロナ禍および学外業務のために、代表者が東京大学植物標本室への出張回数が少なかったこと、それに応じて分担者での作業が減り謝金が少なかったことで次年度使用額が生じた。研究期間を１年延長し、主に、代表者の旅費及び分担者の謝金として使用する。