2020 Fiscal Year Research-status Report
The Right to Water and SDG's
Project/Area Number |
20K01277
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中島 徹 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (60366979)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 水資源 / 水資源の不足 / 水資源の汚染 / 水のリユース / 東南アジアにおける水リユース / 水の再配分 / 財の希少性 / 水リユースの産業化 |
Outline of Annual Research Achievements |
水資源をめぐっては、たとえば、水の入手自体が困難である地域の問題から、汚染された水源をめぐる問題、あるいは水事業の民営化による価格高騰など、世界各国多様な問題状況が存在し、一律に論じることは困難である。本研究では、そうした問題を抱えた地域を訪れて、可能な限り実地調査を行う計画であったが、copid-19の蔓延に伴い、それを行うことは困難な状況にある。そこで、視点を変えて、水のリユースを研究課題としている。もとより、技術的な観点からの研究は専門外であるために行うことはできないが、財の希少性を前提としての財の奪い合いとそれに伴う価格高騰といった問題に対する処方箋として、社会科学的視点での検討を行うことは可能である。そこで本研究では、世界各国で水のリユースがどのように進められているかを確認することを本年度の研究課題として設定し、調査研究を行った。 宇宙空間におけるリユースはすでに知る人ぞ知る事実であるが、その技術は水不足の地域において転用可能であるし、実際東南アジアではリユースの実験が行われている。仮に、こうしたことが技術的に安全で、かつ人の口に合うものであれば、水の再配分という利害対立を生みやすい問題を回避することが可能となる。とはいえ、こうした状況は水産業にとっては営業利益の喪失となりかねないことから、リユース自体を産業化することが予想される。そこで、財の希少性を解消することが逆に財の希少性を存続させることを回避するためには、いかなるリユースを構想すべきかが、現在の中心的な研究課題となっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
周知のように、COVID-19の蔓延により現地調査は事実上不可能であるため、当初の研究計画は大幅に遅延している。
|
Strategy for Future Research Activity |
感染状況が収束すれば、当初の研究計画を可能な限り速やかに再開する予定であるが、感染状況の推移を見通すことは困難であるため、状況に応じて、研究実績の概要に記した方向で研究を進める。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の感染が世界的に収束を見通すことができず、当初の研究計画を遂行することが困難となったために、次年度使用額が生じた。今年度も、現状では収束を期待することは困難であるが、万一状況が変わり、当初の研究計画を実施することが可能となれば再開し、助成金を使用する。
|
Research Products
(1 results)