2022 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of Process towards Amicable Settlement in the Proceedings of Arbitration or Mediation on International Business Disputes
Project/Area Number |
20K01319
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
道垣内 正人 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (70114577)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 仲裁 / 調停 / ADR / 法の支配 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度と同様に外国出張ができなかったため、オンラインで開催される国際シンポジウム・セミナーに参加し、外国の研究者と議論した。 国内では、2022年6月まで日本商事仲裁協会の仲裁・調停担当業務執行理事として、現実の仲裁・調停手続の管理を通じて、仲裁・調停に関する法制度が認めている当事者自 治としての仲裁機関の規則の実際の適用について経験を重ねるとともに、日本の仲裁の発展に向けた活動を行うことができた。日本商事仲裁協会の仲裁規則・調停規則の起草に当った者として、その現実の手続における適用例を事務局として観察し、評価できたことは、今後の研究に役立つものであると考える。在任期間中に仲裁規則のコメンタリーのドラフトを完成することができ、後任者に託することができた。後任者のもとでさらなる検討が加えられ、いずれ公表されれば、日本の仲裁実務の円滑な運営に寄与することになるものと考えている。 もとより、文献を通じて、本研究課題の研究を行った。特に、早稲田大学法学会百周年記念論文集第4巻(2022年)において公表した「法の支配と国際商事仲裁」は、2021年3月に京都で開催された国際連合の会議に置いて報告した“The Rule of Law and International Arbitration/Mediation”をベースに発展させたものであり、ビジネス紛争解決のための有益な手段という仲裁の捉え方を超え、裁判による紛争解決が外国の当事者にとっては自らが関与しないシステムによって下されるものである点で問題があり、国際商事仲裁という方法が法の支配という観点から評価されるべきことを指摘し、新たな視点を提供することができたと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた外国出張を行うことができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、外国出張により、外国の仲裁機関の訪問、外国での国際学会への出席等を行う。そして、これまでの研究成果を踏まえ、研究の最終的な取りまとめを行う予定である。
|
Causes of Carryover |
COVID19による世界的な感染症蔓延のため国際学会がキャンセル又はオンライン開催となり、計画していた外国出張がなかったため。 2023年度には、夏にフランスで開催される万国国際法学会での国際商事仲裁・調停をめぐる外国の研究者との議論と、パリにある国際商業会議所(ICC)の国際商事仲裁の実務につき実地調査を行う予定である。
|