2022 Fiscal Year Research-status Report
RF型及びGPS型電子監視を使用した、ストーカー被害者の保護システムの構築
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20K01355
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
甘利 航司 國學院大學, 法学部, 教授 (00456295)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 監視 / 電子監視 / 再犯 / ストーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、RF型とGPS型電子監視の2つの電子監視について、それぞれの特徴を踏まえて分析し、前者に適切な領域と後者に適切な領域を策定することを目的とし、それをストーカー被害者の保護のために使用し、その効率的な実行方法を検討するものである。 ストーカー被害者を保護するために電子監視を使用するということは、電子監視の実施において、過剰収容対策や再犯防止という観点から見て問題が発生したということを端緒として登場したものであり、電子監視フィールドでは比較的新しい領域に属する。そして、現時点では、ポルトガルのようにストーカー対策に重点をおいている国がある。そこでは、ストーカー被害者と加害者にGPS型電子監視を使用して、両者が町中等で対面しないような制度設計をしている。そして、アメリカのメタ分析の研究では、アメリカの実施状況においては、非常に有効な効果があることが示されている。これは、電子監視一般においては、従来から懐疑的なデータがあることと完全に異なる。他方で、アメリカでは、近年、憲法上の問題が生じていることを無視することができず、GPS型以外も検討する必要がある。 そこで、かつてイギリスで行われたRF型電子監視が、注目される。これは対象者(offender)が一定時間、自宅等にいるかを確認するものであり、24時間体制のものではないものである。この政策も一定程度以上の効果を発揮していることから、充分に導入に向けた検討に資するものである。特に、GPS型のような「執拗な」監視でなくとも効果があることを示したことが、極めて重要であると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅れていることの最たる理由は、コロナ禍により、諸外国に赴いての調査研究が出来ていないことである。特に、受け入れ先として想定していた研究機関が、コロナウィルスの感染等のリスクをおそれて、(その国にとっての)外国人である本科研費代表者の受け入れに躊躇を示しているのが現状である。 以上のことから、本研究は、文献や諸外国の研究者の方々に頂く「データ」に基づいて進めざるを得なくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
先述の通り、コロナ禍にあり、実態的な研究の進展は困難な状況にある。他方で、非常に重要な書籍がベルギーとブラジルから公刊され(英語で書かれている)、こういった書籍の分析から検討を進めることができている。 また、アメリカでの実証研究については、補足的な研究成果も公刊されていることから、更に検討を進めることが可能であり、既に、このことについて研究に着手している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の中で研究が大きく、現地での実態調査から、文献等による研究へと移行する必要が出てきた。そのため、旅費としてカウントしていた部分の使用が予定と異なり、それが次年度繰り越しが生じた理由である。
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