2021 Fiscal Year Research-status Report
冷戦期の東欧における社会主義体制の比較研究:権威主義の強靱姓を解明するために
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20K01482
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
福田 宏 成城大学, 法学部, 准教授 (60312336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姉川 雄大 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (00554304)
河合 信晴 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (20720428)
菅原 祥 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (80739409)
門間 卓也 関西学院大学, 文学部, 研究員 (90868291)
加藤 久子 大和大学, 社会学部, 教授 (10646285)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 東欧 / 中東欧 / 社会主義 / 新自由主義 / チェコ / スロヴァキア / ポーランド / ハンガリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会主義期の(旧)東欧諸国を事例として権威主義体制の強靱性を明らかにしようとするものである。基盤(C)のプロジェクトを総勢6名のチームで取り組む形としているため、メンバーそれぞれにとっての最低限の研究基盤を確保するというのが本科研の主旨である。 とはいえ、本科研の期間とコロナ禍が完全に重なる状況となってしまい、今もなお、研究の根幹を成す現地調査を実施することができていない。現時点においては、個々のメンバーができることを粛々と進めるという状況であり、当初の想定どおりの実績を生み出せているわけではない。研究代表者については、関連原稿の執筆が2021年度から22年度に跨がる形となってしまっており、業績としては国際学会での報告1件の他、書評報告1件、項目執筆1件のみにとどまっている。分担者の菅原氏は雑誌論文1件と学会発表3件、加藤氏は図書所収の論文1件、項目執筆1件、門間氏は書評報告1件、書評1件、河合氏は学会発表1件である。 ただし、本研究の一環として進めている翻訳作業(Philipp Ther氏による旧東欧諸国に関する著作 Die neue Ordnung auf dem alten Kontinent: Eine Geschichte des neoliberalen Europa, 2016)については、頻繁に研究会を開催し、下準備を行うことができた。また、例えば、研究代表者は外務省の多層的ネットワーク招へい事業に関与し、現地研究者との意見交換(2022年3月)に加わることなどによって、本研究の成果を多少なりとも社会に還元できるよう配慮している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既に述べたとおり、コロナ禍により現地調査が実施できなくなったことで重大な影響を受け続けている。2020年度については、過去の調査で得られた史資料や知見等によってカバーできたところもあったが、2021年度については、過去の「貯金」が枯渇したようなところもあり、継続的なアウトプットが難しくなった点は否めない。もちろん、インターネット上での史資料の収集や、オンラインによる意見交換などを最大限活用し、リモートによる対応を心がけてきたところではある。 2022年度については、現地調査の可能性が多少なりとも見えてきているため、従来どおりの研究活動を再開できるよう準備をしておきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の期間は2020~22年度の3年間であるが、コロナ禍で現地調査が実施できていないため、資金を繰り越しているような状態である。そのため、公金を有効に用いるという観点も踏まえ、研究期間については少なくとも1年間延長し、現地調査や国際的な研究交流のために資金を使いたいと考えている。なお、まだ正式な決定には至っていないが、2023年度にはオーストリアの研究者を日本に招いての研究会開催を予定している。現時点においてコロナ禍の行方を正確に予想することは困難であるが、準備だけは進めておきたい。 6人による基盤Cのプロジェクトであるため、「華々しい」成果を予定しているわけではないが、これまで進めてきた関連文献の翻訳を2023年度中に公刊し、かつ、上記の国外研究者を招いての国際的な研究会を実施することができれば、本研究にとっての1つの区切りを提示し、かつ、今後のより大規模なプロジェクトへと繋げることができるものと考えている。
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Causes of Carryover |
既に先の項目にて説明したとおり、コロナ禍のため想定していた研究活動(特に現地調査)が実施できていない。そのため、公的な資金を可能な限り有効に使用するため、研究機関を少なくとも一年間延長した上で、2022年度および2023年度において、国外研究者の招聘や科研メンバーの現地調査に残った資金を集中的に投入したいと考えている。
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Research Products
(12 results)