2022 Fiscal Year Research-status Report
利己心と慈愛心―J. プリーストリーとT. ベルシャムにおける科学と宗教
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20K01571
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
松本 哲人 松山大学, 経済学部, 准教授 (70735828)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ジョセフ・プリーストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、ジョセフ・プリーストリーを中心とした18世紀後期商業社会認識に関する研究を実施した。特に18世紀初期の国教会の重鎮であったジョセフ・バトラーならびに18世紀後期の国教会の重鎮であったウィリアム・ペイリーとの関連に焦点を当てた。ペイリーはバトラー同様、イングランド国教会の重鎮として商業社会をいかに国教会の原理と結びつけ正当化するかに苦心した。彼が選んだ最終的な決断は「妥協」であった。他方、プリーストリーは国教徒に属さない非国教徒(ユニテリアン)として国家の庇護下になかった。それゆえ、彼らの生活を守るために積極的に商業社会を受け入れ、その中で生きていく必要があった。そのためにプリーストリーは商業社会と彼らの宗教的信念を両立させる必要があった。プリーストリーにとって商業社会の正当化は彼らの「現実」を追認するために必要なことであった。このような観点から書かれた原稿を2022年度に公刊を果たすことはできなかったが2023年度内の公刊を目指す。また、プリーストリーならびにトマス・ベルシャムに関してすでに公刊されている著作等を中心に研究を実施した。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けて、本来、実施予定であった未公刊の資料の調査等を2022年度も実施することができなかった。 18世紀後半イングランドにおける教育の重要性やその宗教的要素等を明らかにすることができ、啓蒙と宗教や宗教と経済学の関係性を少しずつ明らかとすることができているように思われるので2023年度は2022年度同様、研究課題とすることとしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けて、本来、実施予定であった未公刊の資料の調査等を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
さしあたり公刊された著作に集中し、分析することとしたいが社会状況の変化等に応じて文献調査等を実施できるよう機動的に研究することとしたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の世界的流行により国内移動はもとより国外移動も制限がなされたため次年度使用額が生じた。2023年度においては海外での学会報告や資料調査が可能であれば実施するが、世界情勢の不安定化や新型コロナウイルス感染症、急速な円安の進行によりは難しいと思われる。それらが叶わない場合には、公刊されている文献を精査し、国内学会や研究会での報告や討論等を通して、論文等の公刊を目指すこととしたい。
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