2022 Fiscal Year Research-status Report
我が国の汚職に関する実証分析:効率賃金仮説に基いて
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20K01728
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
石田 三成 東洋大学, 経済学部, 准教授 (40571477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米岡 秀眞 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (20825301)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 汚職 / 警察 / 効率性 / 職員 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、我が国の地方公務員を対象として汚職が発生する(汚職を抑制する)要因を定量的に明らかにすることである。具体的には、(1)地方公務員の賃金水準を引き下げると汚職は増加するか、(2)ガバナンスの強化(監査制度、情報公開制度など)や、人事政策(採用政策など)によって汚職を抑制できるか、を検証する。 本年度は、まず、(1)との関連でDEAによる警察の効率性評価を行った。実証分析の結果、警察官の給与報酬が警察組織の効率性に影響を与える要因であることが明らかになった。汚職、特に金銭を得るための賄賂や横領を経験した警察組織は、効率が悪くなる可能性がある。しかも、効率性に対する給与報酬の影響は強いと予想される。以上の点を考慮すると、警察組織の効率性を考える上で、給与水準は重要な要素であると考えられる。 つぎに、(2)との関連で、職員組合が組合員の不満や要望をくみ上げ、執行部に対して発言する機能に着目し、職員組合の組織率の高低が汚職や不祥事を抑制できるかを都道府県パネルデータを用いて検証した。推定結果より、組織率が高い都道府県ほど汚職や不祥事が減少する傾向にあり、職員組合のvoice-exitモデル(発言・退出モデル)が汚職や不祥事の抑制に寄与する可能性が示唆された。一般に、処遇改善などで執行部と職員組合との間には対立関係が存在するが、職員組合の発言力を高めることはガバナンスの強化にも寄与する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、本研究では、男性と女性の公民賃金格差を明らかにしたうえで、各々で賃金と汚職の関係を明らかにすることを計画していたが、かかるデータの入手に時間を要し、昨年度は研究計画を変更した。しかし、2022年度に男女別の賃金水準に関するデータを入手できたため、研究機関を1年延長し、2023年度に男女別の汚職を進めることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように男女別の賃金データを入手できており、都道府県の男女別汚職・不祥事発生状況も全国紙および地方紙などからデータ収集を済ませている。そのため、2023年度前半には推定と関連研究の整理を終え、後半に学会発表・投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の流行を受け、対面による学会・ワークショップ等が取りやめになったり、開催していたとしても大学の方針等により参加を自粛せざるを得なかったため、旅費に関する支出が大幅に減少した。2023年度から対面での参加も容易になるため、旅費に関して一定額の支出が見込まれる。また、研究当初に統計データの個票データを入手する予定で、それに関する支出として100万円程度を見込んでいたが、無償でデータの提供を受けることができたため、その分の支出を抑えることができた。2023年度は論文の投稿や校閲等に関する支出が見込まれるので、そちらに充てることを予定している。
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Research Products
(6 results)