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2023 Fiscal Year Research-status Report

日本の銀行エリートと銀行業の特徴の変遷―産業革命期~高度成長期の分析―

Research Project

Project/Area Number 20K01789
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

邉 英治  横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (50432068)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords金融史 / エリート / プルーデンス / シャンド / パース銀行
Outline of Annual Research Achievements

研究年度第4年目にあたる本年度は、銀行エリート及び銀行業に関する資料収集を継続するとともに、データ入力及び分析をさらに進展させた。また、下記にあるように、研究成果の一部を公表するとともに、さらなる研究成果の公表にむけた原稿の執筆を大幅に進めることができた。
収集した資料としては、イギリス・エディンバラへ出張し、NatWestアーカイブスに所蔵されている日本の銀行エリートに多大な影響を与えたA.シャンドの銀行取締役としての活動に関するパース銀行の諸委員会議事録(A Committee and B Committee)があげられる。資料収集と並行してシャンド研究を進め、研究成果の一部について、すなわちイギリス帰国後のシャンド再就職の際の人的ネットワーク及びプルーデンス原理の実践者としてのシャンドに関する英文ペーパーを公表した(2023年12月)。
各銀行の『営業報告書』、『有価証券報告書』、及び銀行エリートに関する伝記・自伝類についても、収集を継続した。あわせて、戦前期における100名の銀行検査官の入省時期やキャリアパスについての検討を進めた。なお、東海銀行(東京)のエリート(経営陣)等についての研究報告も行った。
国際比較分析については、私が座長・司会を務めた日本金融学会2023年秋季大会(九州大学、2023年9月)における英語セッションにおいて、香港の金融エリートのC.V.Starr等についての専門的な知見を得るとともに、学会ではエリートの持つカリスマ性の中身とその普遍性について、英語で議論を行った。
さらに、グラスゴー大学、ウプサラ大学、ローザンヌ大学の国際共同研究者との研究打合せも継続しており、国際ジャーナル特別号(Management & Organizational History: Special Issue on Human Capital in Financial Regulation and Supervision)の筆頭編集者として作業を進めており、本研究成果の一部を公表するべく次年度中の発刊を予定している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度も研究図書委員長など引き続き学内の要職についており、資料収集のための国内出張の回数や資料・データの分析時間を減らさざるをえず、コロナ禍や同僚の異動などによって生じた前年度までの研究の遅れを、完全には取り戻すことはできなかった。
もっとも、これまで延期してきた海外出張は実施することができ、海外での資料収集については一定の進展があり、金融エリートであるシャンドについての研究成果の一部を英文ペーパーで公表するなど、研究の進捗の遅れはある程度取り戻すことができた。

Strategy for Future Research Activity

コロナ禍により実施できなかった東京大学経済学部図書館での資料収集は、2023年度より再開でき、国立国会図書館での資料収集も続いている。時間のかかる史資料の収集はある程度進んだため、今後はデータの分析や研究成果の公表が大幅に進展する予定である。実際、研究成果の一部を、単著として近々のうちに刊行できる見込みである。
なお、私が筆頭編集者を務める国際ジャーナル特別号についても、時間のかかるレフェリーの確保などの調整作業が終わり、現在セカンドラウンドの段階まで進んでおり、2024年度の刊行を見込んでいる。

Causes of Carryover

海外出張は実施できたものの、引き続き、学内の要職に伴う校務の負担が重く、前年度以前に生じた遅れ(コロナ禍が長引いたこと及び同僚の異動に伴って研究代表者が想定外に学内の要職についたことに伴うもの)を完全には取り戻すことができていないため、次年度使用額が生じた。
次年度は、史資料収集の継続、そして資料・データ分析や研究成果の公表のために、主に支出を行う予定である。次年度使用計画としては、国内旅費・英文校正費・印刷費・物品費・謝金・複写費等を予定している。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 Other

All Int'l Joint Research (3 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Int'l Joint Research] グラスゴー大学(英国)

    • Country Name
      UNITED KINGDOM
    • Counterpart Institution
      グラスゴー大学
  • [Int'l Joint Research] ウプサラ大学(スウェーデン)

    • Country Name
      SWEDEN
    • Counterpart Institution
      ウプサラ大学
  • [Int'l Joint Research] ローザンヌ大学(スイス)

    • Country Name
      SWITZERLAND
    • Counterpart Institution
      ローザンヌ大学
  • [Journal Article] Alexander Allan Shand and Parr’s Bank: Roles as a director from 1909 to 19182023

    • Author(s)
      Eiji Hotori
    • Journal Title

      EABH Papers

      Volume: 23 (2) Pages: 1-31

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 草創期の東海銀行(東京)―1889~1903年―2023

    • Author(s)
      邉 英治
    • Organizer
      地方金融史研究会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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