2020 Fiscal Year Research-status Report
日本企業の立地選択行動と海外事業経験に関する実証研究
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20K01890
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
竹之内 秀行 上智大学, 経済学部, 教授 (90297177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 崇雄 神奈川大学, 経済学部, 教授 (30318761)
岸本 壽生 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (80262492)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 立地選択 / 海外事業経験 / 新興国市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本企業の立地選択行動を明らかにすることにある。その際に、鍵概念として「海外市場における事業経験」に着目する。 海外市場に関する事業経験については、十分な検証が行なわれてきたとは言えない。多くの先行研究では、海外事業経験を、主に海外事業経験年数によって測定してきた。そこで、本研究では、まず第1に、海外市場における事業経験について、どのようなタイプがあるのか、またどのように海外事業経験を積んだのか、について検討する。そのうえで、第2に海外市場における事業経験が受入国と本国の距離へどのような影響を与えるのか、を明らかにする。先行研究では、本国と受入国の距離を与件としているが、事業経験を通じて、距離は動態的に変化するかもしれない。第3に、受入国と本国の動態的距離が日本企業の立地選択へどのような影響を及ぼすのか、を明らかする。 当該年度においては、1つには、先行研究にあたることによって、本研究のフレームワークを整備することに努めた。もう1つには、一次資料、二次資料(商用データベースの情報も含む)などの広範囲なデータを探索的に分析することを試みた。具体的には、海外事業経験に関する先行研究の検討と合わせて、日本企業の海外事業経験に関するデータベースの構築へ着手した。今年度は特に、自動車部品メーカーの海外事業経験に焦点を絞った。というのも、自動車部品産業は海外展開の歴史が長いため、海外事業経験の分析対象として適切であるとともに、製品多角化が進んでいないため分析対象として適切であるからである。 さらに、そうした事業経験に基づいた立地選択が海外子会社の成果へ与える影響を検討するために、データベースの構築を行ったが、これについては次年度以降においても整備を続ける予定である。 また、分析フレームワークについても、検討中であり、次年度も引き続き検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データベースの整備をある程度進めることができた。しかし、これについては、海外子会社の成果データなども含めて、若干の遅れがある。また、フレームワークの構築については、先行研究の検討範囲を広げたこともあり、研究者間で検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
データベースの整備とフレームワークの構築を進める。そのうえで、①実証研究を実施する、②面接調査を行いながら事例研究を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、①コロナウィルスの影響のため、データベースの改善に多少の遅れたが発生したこと、②フレームワーク構築へ向けた作業に滞りがあったため、である。 次年度の使用計画としては、3つのことを計画している。第1に、データベースの改善を進めるために、人件費において使用する。第2に、ユニークな事例に関する分析を行うために、面接調査のために使用する。第3に、データベースの改善作業の進展に合わせて、分析・報告ならびに論文執筆のために使用する。
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Research Products
(4 results)